新型コロナウイルス危機に対応するアメリカの経済政策には,以下の内容が含まれているという。私はこれは良いセンスだと思う。
(引用)「法案では新型コロナの影響を受けた労働者に2週間の有給病気・家族休暇を付与。企業は費用をカバーするために税額控除を受けられる。
労働者はまた、自身が隔離されたり、病気の家族を世話する必要が生じたりした場合に、最大3カ月の無給休暇を取ることができる」。
この無給休暇による減収を、事後の政府からの給付金で支えるとなおよい。
日本の休業補償は、小中高休校の影響を受けたご家族にしか適用されない。そうではなく、風邪症状で仕事を休まざるを得ない人や、そうした人々を自宅で看護するために仕事を休まざるを得ない人全員に休暇と給付を与えるべきだ。その負担を負えない企業に対しては支援する。これにより、1)生活困窮を防ぎ、2)自宅療養への不安を軽減し、3)需要を維持する。一石三鳥だ。
政府・各党はこのアメリカの政策の詳細を調べ、日本の条件に適合した方策を作ってほしい。民間企業の有給休暇を政府が法律で与えるというのは、日本ではすぐにできないかもしれないが,それなら無給の休業を認め,給付金で支えればよい。事後に企業の出勤記録と賃金台帳を提出してもらい,労働者に直接支払うのだ。そのくらいのしくみは,やろうと思えばできるはずだ。
「米下院、新型コロナ対策法案可決 無料検査や病気休暇盛り込む」ロイター,2020年3月14日。
川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。
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