NHKスペシャル『潤日の肖像 日本に向かう”中国”』を視て,単なる足し算,引き算の話をする。
日本からの対外直接投資とは,日系企業の経営が発展するとともに,GDPが日本で増えずに海外で増えるということである。2025年の対外直接投資は,ネット(実行マイナス回収)で32兆6236億円であった(財務省統計。以下同じ)。
海外から日本に対する対内直接投資とは,外資企業の経営が発展するとともに,GDPが日本で増えるということである。2025年の対内直接投資は,ネット(実行マイナス回収)で6兆9171億円であった。
したがって,差し引きで言えば,25兆7065億円が,日本企業の行為によって,日本ではなく海外での需要増となり,所得となった。この足し算,引き算は理解しておく必要がある。
日本企業の多国籍企業化にエールを無邪気に送りまくってこれを促進し,海外企業の日本進出にまゆを顰めてこれを規制する政策を採れば,一方で海外のGDPは増え,他方で日本のGDPは,つまり日本の所得は減り,雇用も減るのである。このことが十分に分かっていた上で,所得の増減とは別の理由により,どうしてもそうしたいというのならばしかたがない。しかし,この足し算,引き算は,日本において本当に理解されているのだろうか。私にはそうは思えない。
「対外・対内直接投資の推移(国際収支マニュアル第6版準拠)」財務省。
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/bpfdi.htm
番組ページ
https://www.web.nhk/tv/an/special/pl/series-tep-2NY2QQLPM3/ep/98KX73WL4P