ある経済が失業を抱えている時と成長の天井に近い状態にある時とでは,成長と分配の関係は異なる。何度も言うが,「いつでもまず成長だ」ということもなければ,「いつでもまず分配だ」ということもない。何度も何度も言うが,いつでも「とにかく成長しないと話にならない」ということもなければ,これからずっと「もう成長などしなくていい」ということもない。何度も何度も何度も言うが,「分配を重視する奴は,イデオロギーと感情に流されるいかがわしい奴に違いない」ということもなければ「いまどき成長が必要だなどと言う奴は古臭い」ということもない。
一種類の価値判断だけを吐露して精神的に楽をしたいという誘惑に負けず,「場合による」と言い続けることが大事である。
と偉そうに言ったが,ここでのロジックはほぼ松尾匡氏に依拠しており,オリジナルではない。
成長と分配はどちらが大事か 現代資本主義におけるマクロ経済政策⑱
成長と分配はどのように関連しているか 現代資本主義におけるマクロ経済政策⑲
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