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2022年2月2日水曜日

小経営的生産様式の歴史的意義:資本主義への道,アソシエーションへの道 第1回 

 東北大学経済学部で2020年度第2学期に1年生向けに行った「経済学入門A」のオンライン講義から,2021年1月18日に行った最終回の後半部分を,9本に分割して配信します。講義内容はマルクス経済学の入門で,教科書に使用したのは大谷禎之介『図解 社会経済学 資本主義とはどのような社会システムか』桜井書店,2001年です。動画の内容は,教科書第1篇第10章「資本の本源的蓄積」第2節「資本主義的生産の歴史的位置」に相当する部分です。これは,カール・マルクス『資本論』で言えば,第1部「資本の生産過程」第7篇「資本の蓄積過程」第24章「いわゆる本源的蓄積」第7節「資本主義的蓄積の歴史的傾向」に相当する部分です。

 第1回は小経営的生産様式の歴史的位置づけを行ったものです。小経営的生産様式を重視するのは,ある意味では東北大学における経済学研究の伝統であり,これを定式化した業績は栗原百寿『農業問題入門』有斐閣,1955年に帰せられます。栗原理論の問題意識は安孫子麟氏に受け継がれ,その新たな定式化は,安孫子麟「近代村落と共同体的構成」(安孫子編著『日本地主制と近代村落』創風社,1994年などに示されています。また,これとは別に,平田清明氏の個体的所有論をめぐる討論から大野節夫『生産様式と所有の理論 「資本論」における「一般的結論」』青木書店が書かれました。私はこれらの業績から多くを学びました。

第1回 小経営的生産様式の歴史的意義





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