2022年6月27日,渡辺宙明先生が亡くなられた。私にとって最初の渡辺ソングと言えば,小学生時代の「Zのテーマ」であった。人の命が尽きた後も不滅の存在があるのだと信じた。その後,次第にどうかしていきながら高校生となり『組曲バトルフィーバーJ』と『電子戦隊デンジマン音楽集』のLPレコードを購入した(お金が足りず,同じころに出た『宇宙刑事ギャバン音楽集』は隣人に借りてカセットテープに落とした)。その魅力をたどたどしく周囲に訴えるもまったく理解されずに笑われ続け,意固地になって毎日のように聞き耽った。「ダンシングソルジャーズ」「愛のテーマ」「はるかなるデンジ星」「青春のテーマ~一人ぼっちの青春~」「闘争の終り」を聞きながら,何に感動しているのか自分でもわからないのに,誰にもわかってもらえないだろうと思いこんだ。「バトルフィーバーJのテーマ」「哀詩」「勇者が行く」「ベーダ―大出撃」「デンジマンにまかせろ!」を聞きながら,何とどう戦うかわからないのに,戦い続けねばならないのだと思った。当時中二病と言う言葉はなかったが,もう高三で,大学受験は目の前に迫っていた。その後,BJのLPは行方不明となり,デンジマンのLPは母親が納屋にしまうも大家が無断で廃棄,CDで買い直して現在に至る。中二病という言葉は生まれて久しいが,もう57歳で,このまま息絶えるのだろう。これらの曲を聞くことができたのだから,それでもよい。
「バトルフィーバーJ」ミュージック・コレクション,日本コロムビア。
「電子戦隊デンジマン」ミュージック・コレクション,日本コロムビア。
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