『東京新聞』2022年4月6日付の 「『これが福祉なのか...』困窮者への特例貸付で破産連絡700件超 コロナ禍で大量申請、支援現場に葛藤」という記事を読んで。
生活困窮対策として緊急対策を改善することも必要であるが,恒常的な対策が必要だ。私は,所得税の累進課税を拡充し,非課税世帯には「マイナスの所得税」を導入する減税が適切と思う。所得が一定以下であれば,低いほど高率の給付金を受け取れる。ある所得で給付・課税ともゼロになり,それ以上は現行のような累進課税とする。
緊急小口資金や総合支援資金は効果を上げていると思うが,返済問題が大きい。給付金の提案は,肝心の低所得者に届かない提案や,焼け石に水的金額の提案がなされていて,効果的でない。所得に応じた,権利としての恒常的給付を,所得の証明のみでそれ以上の手間ひまなく実施する,恒常的制度にすべきだ。税制改革として行うのが,時間は多少かかるけれど一番安定する。
そして,マイナスの所得税は,「税制の改善,累進課税による所得再分配の強化」として,他の施策とは独立に,プラスアルファとして行うべきである。「社会保障制度の代わりにベーシック・インカムを実施する」というトレードオフの議論に迷い込むべきではない。
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