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2021年4月14日水曜日

研究年報『経済学』の発行主体変更について

 東北大学経済学研究科・経済学部の紀要である研究年報『経済学』は,1934年の創刊以来,「東北大学経済学会」を発行母体としてきました。外部団体の体裁をとって,教員や読者から会費をいただいて発行し,発行した雑誌の一定部分を大学が買い取っていたのです。一時は岩波書店から販売もしていました。しかし,この方法は財務や人事を複雑にするなどの問題を伴うことは否めません。昨年度一年かけて検討した結果,東北大学経済学会をこの3月末で解散し,4月より研究年報『経済学』を東北大学大学院経済学研究科が直接編集・発行する方式に移行しました。今後も外部からの投稿や講読は可能です。名実ともに紀要となりますが,院生やポスドクの投稿,外部投稿などには査読制度を維持します。

 画像1枚目は移行にあたり,経済学会のもともとの性格を探るために参考にした,米澤治文教授の文章です。「経済学会会報」(1954年)に掲載されました。2,3枚目は,私が古本屋で買った43号(1956年)です。目次には鈴木光男,原田三郎,服部文男といった先生方の名前が並んでいます。4枚目は最新号です。43号の頃はA5版縦書きで,この後,ある時期にB5版2段組み横書きに変わって今に至ります。

 紀要の地位は,査読付き学術誌への掲載が求められるに従って低下しつつありますが,他方でネット時代になって利用頻度は以前よりも上がっています。また国際的にも,ジャーナル出版業の寡占化のもとで大学が出版機能を持つことの意義が見直されています。研究年報『経済学』が果たす役割は今後ともあると私は思っています。

研究年報『経済学』発行団体変更のお知らせ












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