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2019年6月25日火曜日

細野祐二『会計と犯罪 郵便不正から日産ゴーン事件まで』の特捜検察批判

 就寝前と仕事の合間を使っただけなのだが,2日間で読み終えた。こう言っては何だが,岩波書店には珍しい,ミステリーのように引き込まれて,すらすらと読める本だ。

 著者のこれまでの本と異なり,粉飾決算事件の分析ではない。中心となるのは郵便不正事件とそれに続く,村木厚子氏が起訴されて無罪となった虚偽公文書事件,そして大坂地検特捜部による証拠改ざん事件だ。おそらく,もともとこれらを主要な対象と予定していたのだろう。ところが日産自動車カルロス・ゴーン事件が発生し,それが最後部に置かれることになった。

 本書は,経済事件における特捜検察による冤罪の構造を暴いた本なのである。細野氏によれば,ゴーン会長は役員報酬の件にせよオマーン・ルートにせよ,法的には無罪とされるべきなのである。なぜそう言えるのかは,どうか本書にあたられたい。




細野祐二『会計と犯罪 郵便不正から日産ゴーン事件まで』岩波書店,2019年。


2019/6/6 Facebook投稿の再録。



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