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2021年5月5日水曜日

研究倫理教育とAPA法研修

 大学から学部生への研究倫理教育を義務づけられているのだが、「盗作するな。注を付けろ」と説教しただけで身につくわけもない。そこで、近年はゼミでAPA法の注の付け方の研修を行っている。今回は、古典的スタイルで注記された論文をAPA法の注記に直すという実習だ。まともに10何人も添削するとたいへんなのだが、学生が提出したファイルと正解のファイルをワードの「比較」機能で照合すれば、違っている点が自動的に朱書きされることに気づき、添削の自動化を実現。それでもコメントを入れねばならないから、結構大変だ。しかし、実験も数学も教えられない私が、将来とも役立つグローバルスタンダードな手法を教えられる領域はごく限られているので、これだけはそれなりにやることにしている。まあ、「うちの教授は何てチマチマした人間なんだ」と思われるだけかもしれんが。

 APA法の使い方で、唯一、自分でもブレがあって決まらないのが日本語文献を注記する際にカンマと括弧は半角か全角かだ。これは英語ベースのAPA法にグローバルスタンダードはなく、日本では雑誌によりまちまち。すべて半角にすれば英語文献との統一は取れるが、少し見にくい。どこまで半角スペースを入れるかという問題もある。日本語や漢字圏の文字が前後にある時だけ全角にするとそこは見やすいが、統一が取れない。また、日本語と英数字が混じった時に一義的に決まらず迷う。あまり考えたことがなかったのだが、学生に教えるとなると困る。

というわけだ(川端, 2006, pp. 22-25)。 半角

というわけだ (川端, 2006, pp. 22-25)。 半角。括弧前にスペース

というわけだ(川端,2006,pp. 22-25)。 全角

というわけだ(Smith, 2020, p. 20; 川端,2018)。 半角・全角混合

というわけだ(Smith, 2020, p. 20;川端,2018)。 全角

日本語で論文を書く同業者のみなさんは、どうされているのだろうか。




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