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2020年9月22日火曜日

経団連提言「EdTech推進に向けた新内閣への緊急提言 ~With/Postコロナ時代を切り拓く学びへ~」への所感

 経団連提言「EdTech推進に向けた新内閣への緊急提言 ~With/Postコロナ時代を切り拓く学びへ~」が述べているのは,要するに公費でICT教育基盤を整備しろという事である。そのこと自体は全く正しいと思う。この文書に書かれている内容については大いに支持したい。

 しかし,経団連は,会員たる日本企業の雇用慣行が教育格差を不当に広げていることを,もっと自覚すべきである。すなわち,非正規労働者に正規労働者とは別の処遇体系を設け,しかも職務価値に見合った給与ではなく家計補助水準の給与しか払わないという差別的処遇である。そして,中高年になってからの再就職,とくに女性のそれにおいて非正規の職しか入職機会を提供しないという機会制限である。非正規の給与で子どもを養わざるを得ない家庭が,教育環境を確保できずに苦しんでいるのだ。この差別的処遇と機会制限を改める努力が必要だ。そうでないと,バケツの底に穴を開けながら,そこに水をそそげと言うようなものである。

日本経済団体連合会イノベーション委員会「EdTech推進に向けた新内閣への緊急提言 ~With/Postコロナ時代を切り拓く学びへ~」2020年9月18日。

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