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2020年7月4日土曜日

公立小中高でオンライン授業がほとんどできなかったことを深刻に受け止めるべき

 横山耕太郎「忖度ばかりの学校現場、教師が激白『オンライン導入は永遠に潰され続ける』」Business Insider, 2020年6月25日によせて。申しにくいのですが,あえて書きます。
 大学は改革疲れで疲弊しているのですが,コロナ危機に際して,多数の教員がオンライン授業をしなければと思い,実際に行いました。国に無理くりやらされたのではなく,各大学で何とかしなければと思って実行しました。不十分なことはわかっていますが,とにかく正規の授業を止めずに実施しました。文科省がオンライン授業を規制しないかと心配しましたが,それでも半ば勝手に始めました。これからも不安材料はいっぱいですが,ほんの少しは自慢したいです。
 対して,ほとんどの公立の小中高ではオンライン授業ができなかったそうです。やる気のある先生や学校が自発的にやろうとすると「教育委員会に相談すると、『一校だけ先行するのはよくない』と言われました」と止められたのだそうです。
 しかし,この時代,オンライン授業ができないというのは「感染症が流行しているから仕方がない」といって良いのでしょうか。私は違うと思います。ハードやソフトやスキルが神様みたいになくても,できるのです。これは,「やるべきことをやっていない」状態ではないでしょうか。いや,もちろん,いま現在の学校の体制や設備では,がんばってもできなかったことも多かったでしょう。そういう学校や,そこで働く先生を責めてはならないと思います。でも,「このままではダメだ」「二度と同じことをしてはならない」と確認する必要があると思います。
 大学では一応できて,公立の小中高ができなかったという違いは,大々的に取り上げねばなりません。公立学校でオンライン授業ができないのはダメなことであり,日本の教育にとって許されない一大事であり,お金も人も配分して改善しようという社会的合意を作る必要があります。なぜ大学ではできて公立の小中高でできないのか。何が足りないのか,どう補わねばならないのか,直ちに政策化する必要があります。
 それさえできずに休校のあり方,入試の日程ばかり議論するというならば,日本はもはや教育熱心な国とは言えないでしょう。


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