毎月勤労統計不正問題。私の意見では,野党が特別監察委員会の報告書の廃棄をこの時点で要求するのは不適切である。ブログで縷々述べたように,この報告書は調査体制に中立性の問題があり,内容も甚だ不徹底であるが,それでも,批判的によく読めば,厚労省による隠ぺいも証明できるし,不作為により問題を隠す体質もわかるし,2004年より前から不正が行われていたこともわかる。
現時点で廃棄させると,監察委員会報告書が認定した事実まで,まだまったくわかっていないことになり,政府もその立場で答弁できてしまうから,かえって真相解明の妨げになる。
大事なのは再調査させることであり,再調査の上で元の特別監察委員会報告書に誤りが証明されたら,再調査結果で上書きすればよいのである。
「野党、統計調査報告書の撤回要求」Reuters,2019年2月6日。
https://jp.reuters.com/article/idJP2019020601002053
「毎月勤労統計調査の不正に関する監察委員会報告書を読む(1)不作為の問題」Ka-Bataブログ,2019年1月26日。
「毎月勤労統計調査の不正に関する監察委員会報告書を読む(2)中立性の問題」Ka-Bataブログ,2019年1月27日。
「毎月勤労統計調査の不正に関する監察委員会報告書を読む(3)誰が不正を指示したのか」Ka-Bataブログ,2019年1月28日。
「毎月勤労統計調査の不正に関する監察委員会報告書を読む(4)未復元の事実,復元を開始した事実を隠蔽したのではないか」Ka-Bataブログ,2019年1月29日。
「毎月勤労統計調査の不正に関する監察委員会報告書を読む(5)2004年調査よりも前から不正が始まっていた」Ka-Bataブログ,2019年1月30日。
川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。
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