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2018年12月27日木曜日

続・松井和夫先生のこと

 不意に思い出したのだが,私は前期課程2年の時,松井和夫先生(日本証券経済研究所大阪研究所主任研究員)の経済学部連続講義「証券市場論」に珍しくちゃんと出席していた。昼食を生協のレストラン「ルポー」でご一緒した時,先生を招へいする窓口になっていらっしゃった鴨池治教授(マクロ経済学,金融論)も別の席においでだった。鴨池教授は,こちらにやってきて松井先生の隣に座り,しばらくお話をされていた。アメリカでトービンのQが1を下回っているためにM&Aが誘発されることなどが話題であった。やがて,鴨池教授はご自身の席に戻られた。と,松井先生はやおら私に向き直り,「君,レーニンはな」と,独占と金融資本について語り始めたのである。なるほど,先生はこうやって,証券業界に求められる博学のエコノミストであり,かつ根底ではマルクス経済学者として,たくましく生きていらっしゃるのだなと思った。
 日本証券経済研究所大阪研究所主任研究員・後に大阪経済大学教授の松井先生は,もっと思い出されるべき研究者だと思う。同じ研究所に同じ時においでだった奥村宏先生が日本企業・企業間関係研究者として広く知られているように,松井先生はアメリカ企業・企業間関係研究者として,もっと知られるべきだと思う。

松井和夫教授略歴・業績目録。この目録掲載の雑誌論文84本には,『証研レポート』に執筆されたレポートは含まれていない。
http://www.osaka-ue.ac.jp/file/general/5125

松井和夫先生のこと(2014/10/19)Ka-Bataアーカイブ。

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