Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2024年9月25日水曜日

論文「ベトナム鉄鋼業の発展初期における日系中堅電炉企業の役割 -ビナ・キョウエイ・スチール社成立過程の研究-」を公開しました

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 拙稿「ベトナム鉄鋼業の発展初期における日系中堅電炉企業の役割:ビナ・キョウエイ・スチール社成立過程の研究」が『アジア経営研究』30-1号に掲載されました。J-Stageにアップされましたので,ダウンロードいただけます。  2020年4月に科研費をとってベトナム鉄鋼業における外資...
2024年9月18日水曜日

『アジア経営研究』第30-1号発行

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 『アジア経営研究』第30-1号が発行されました。拙稿「ベトナム鉄鋼業の発展初期における日系中堅電炉企業の役割―ビナ・キョウエイ・スチール社成立過程の研究―」も掲載されています。11月くらいにはJ-Stageで無償公開されるはずです。  『アジア経営研究』はアジア経営学会が発行す...
2024年9月16日月曜日

「メンバーシップ型雇用」正社員の世界で「解雇規制緩和」をすると何が起こるか

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  自民党総裁選で解雇規制見直しが争点となっている。解雇規制というのは判例で確立している整理解雇の4要件であり,この4要件が労働契約法第16条「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」の内容とされてい...
2024年9月13日金曜日

「貨幣分類論」を東北大学経済学研究科のディスカッション・ペーパーとして公開しました

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 先にこのブログに分割投稿した「貨幣分類論」を修正し,東北大学経済学研究科のTERG Discussion Paper, 490として公開しました。思考の整理のためにDPにしましたが,先行研究をサーベイせずに教科書風の解説だけ述べているので,雑誌論文として投稿するには苦しいかもし...
2024年9月8日日曜日

カネゴンがお金を食べるのと人間がお金を貯めるのはどう違うのか:代用貨幣の蓄蔵可能性をめぐって

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 『ウルトラマンアーク』第8話「インターネット・カネゴン」 。AIのバーチャル配信者カネゴンが人気がありすぎて,地域電子マネーのほとんどがカネゴンへの投げ銭に費やされてしまう。カネゴンはお金を貯めることだけが目的なので,地域電子マネーが流通しなくなり,地域経済が不況に陥るという話...
2024年9月6日金曜日

日本製鉄のUSスチール買収によってアメリカの安全保障が脅かされるのか?:ミッタル・スチールという前例から

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 アメリカ政府の対米外国投資委員会は,日本製鉄のUSスチール買収が,国家安全保障上のリスクを生じさせるとする書簡を両社に送っていたという。日米同盟の絆と言われるものは,経済ナショナリズムとそれを利用した大統領選挙の都合によって簡単に覆されてしまうのだと,言わざるを得ない。  いや...
2024年9月5日木曜日

日本製鉄がUSスチール買収完了後のガバナンス方針を発表:買収が成立しても種々の問題は続く

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 日本製鉄が, USスチール買収完了後のガバナンス方針 を発表した。USスチールを買収しようとする場合,雇用維持,米国内での設備投資,地域社会との共存等々を求められることは最初から見えていたが,トランプ,ハリス両大統領候補やバイデン政権の反対方針が伝えられるに及び,一層強いコミッ...
2024年8月25日日曜日

上野貴弘『グリーン戦争ーー気候変動の国際政治』中公新書,2024年を読んで

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 上野貴弘『グリーン戦争ーー気候変動の国際政治』中公新書,2024年。政治学の観点から気候変動対策をめぐる国際関係を論じた著作である。以下で述べるように,内容には勉強になった点も疑問点もあるが,何よりも地球温暖化問題が国際政治の容赦ない利害関係と駆け引きの中にあることを知るという...
2024年8月23日金曜日

「中国がくしゃみをすると,世界に嵐が起こる」,それが鉄鋼業

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  「中国の鉄鋼過剰、世界揺るがす-業界全体が窮地に陥る恐れ」 という記事がブルームバーグから配信されている。なぜ中国という一国の過剰生産が世界を揺るがすからというと,規模がバカでかいからである。  中国は世界の鉄鋼生産の半分を占める超製鉄大国だ。2024年の生産量は不況が続くと...
2024年8月19日月曜日

何年かに一度読みたくなる長谷正人『悪循環の現象学:「行為の意図せざる結果」をめぐって』

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 長谷正人『悪循環の現象学:「行為の意図せざる結果」をめぐって』ハーベスト社,1991年。本書は妙に私の心に刺さり,何年かに1度読み返したくなる。今日,たぶん4度目くらいの読了をした。社会科学に対する割り切れなさと,結局は「透明人間」の視点での研究者になってしまったことへの後ろめ...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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