2022年4月5日火曜日

財政政策論。リカード・バローの中立命題が完全には成り立たないという見解。まあ,そりゃそうだとしか

 財政政策の有効性(2)。実際の財政政策を事実上支配する見解。つまり「リカード・バローの中立命題」を究極の理論としては否定しないが,厳密に成り立つことはないとした場合についての検討。

 現に多くの国が長期にわたって財政赤字を出している時に,「納税者は,やがて赤字をゼロにするための増税があると合理的に予想する」というのは,現状分析としてはおよそ考えられない作り話である。もちろん,中立命題を理論的仮定として置いた上で理論的研究としてあれこれ検討するのはわかる。しかし,「それが事実に違いない」と科学の法則のように決めつけて現実を裁断しようとする発想は,私には全く理解できない。

 この後,MMTを含む中立命題全否定論に進む。

財政政策の有効性(2):中立命題部分否定/財政政策の限定的有効論 現代資本主義におけるマクロ経済政策㉖




0 件のコメント:

コメントを投稿