Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2024年8月25日日曜日

上野貴弘『グリーン戦争ーー気候変動の国際政治』中公新書,2024年を読んで

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 上野貴弘『グリーン戦争ーー気候変動の国際政治』中公新書,2024年。政治学の観点から気候変動対策をめぐる国際関係を論じた著作である。以下で述べるように,内容には勉強になった点も疑問点もあるが,何よりも地球温暖化問題が国際政治の容赦ない利害関係と駆け引きの中にあることを知るという...
2024年8月23日金曜日

「中国がくしゃみをすると,世界に嵐が起こる」,それが鉄鋼業

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  「中国の鉄鋼過剰、世界揺るがす-業界全体が窮地に陥る恐れ」 という記事がブルームバーグから配信されている。なぜ中国という一国の過剰生産が世界を揺るがすからというと,規模がバカでかいからである。  中国は世界の鉄鋼生産の半分を占める超製鉄大国だ。2024年の生産量は不況が続くと...
2024年8月19日月曜日

何年かに一度読みたくなる長谷正人『悪循環の現象学:「行為の意図せざる結果」をめぐって』

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 長谷正人『悪循環の現象学:「行為の意図せざる結果」をめぐって』ハーベスト社,1991年。本書は妙に私の心に刺さり,何年かに1度読み返したくなる。今日,たぶん4度目くらいの読了をした。社会科学に対する割り切れなさと,結局は「透明人間」の視点での研究者になってしまったことへの後ろめ...
2024年8月7日水曜日

物価変動分類論:インフレ,デフレ,遊休,バブルと金融・財政政策(その3・完)

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    Ⅰ はじめに Ⅱ 物価の一時的変動と実質的変動 Ⅲ 物価の名目的変動,そして厳密な意味でのインフレ,デフレ (以上 その1 ) IV 現代の貨幣的インフレは何によって引き起こされるか (以上 その2 ) V 遊休とバブル VI 外国為替相場と物価 VII ...
2024年8月6日火曜日

物価変動分類論:インフレ,デフレ,遊休,バブルと金融・財政政策(その2)

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  Ⅰ はじめに Ⅱ 物価の一時的変動と実質的変動 Ⅲ 物価の名目的変動,そして厳密な意味でのインフレ,デフレ (以上 その1 ) IV 現代の貨幣的インフレは何によって引き起こされるか (以上今回) V 遊休とバブル VI 外国為替相場と物価 VII おわりに ...
2024年8月5日月曜日

物価変動分類論:インフレ,デフレ,遊休,バブルと金融・財政政策(その1)

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Ⅰ はじめに Ⅱ 物価の一時的変動と実質的変動 Ⅲ 物価の名目的変動,そして厳密な意味でのインフレ,デフレ (以上今回) IV 現代の貨幣的インフレは何によって引き起こされるか V 遊休とバブル VI 外国為替相場と物価 VII おわりに I はじめに  今日...

「キャッシュレス決済」の元祖としての預金振替:オープンキャンパス企画「金融・経済博物館」あいさつ

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 東北大学オープンキャンパス(7/30-7/31実施)経済学部企画「金融・経済博物館」リーフレット掲載あいさつ。もう何度も書いたが,当座性預金は今日の貨幣の主要部分であり,「デジタル通貨」であり「キャッシュレス決済」である。「21世紀,デジタル技術の発達により,デジタル通貨とキャ...
2024年8月4日日曜日

貨幣分類論(その5・完。支払方法分類。流通領域。兌換と不換。中央銀行デジタル通貨)

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Ⅰ はじめに Ⅱ 外形的分類 (以上, その1 )  Ⅲ 本質分類 Ⅳ 形態分類と物的定在分類 (以上, その2 ) V 通用根拠分類 (以上, その3 ) VI 機能分類 (以上, その4 ) VII 支払方法分類 VIII 流通領域 IX 兌換代用貨幣と不換代...
2024年8月3日土曜日

貨幣分類論(その4。機能分類)

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   Ⅰ はじめに Ⅱ 外形的分類 (以上, その1 )  Ⅲ 本質分類 Ⅳ 形態分類と物的定在分類 (以上, その2 ) V 通用根拠分類 (以上, その3 ) VI 機能分類  貨幣が持つべき様々な機能のうち,主にどれを担うことから貨幣として成立しているかという角度か...
2024年8月1日木曜日

追加利上げに見る日銀のジレンマ:解決策としての賃上げ・雇用改革

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 日本銀行は7月30-31日に開いた金融政策決定会合で,政策金利を「0-0.1%」から「0.25%」程度に引き上げることを決定した。この引き上げには,日銀が抱えるジレンマが表現されている。このジレンマは,コロナ後に深刻になったものであり,日本経済の抱える問題を表現したものである。...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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