Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2023年12月25日月曜日

玉川寛治氏博士論文「日本における初期綿糸紡績技術の研究」審査結果の要旨について

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  さきに,玉川寛治氏の博士論文「日本における初期綿糸紡績技術の研究」が東北大学機関リポジトリTOURに掲載されました。しかし,審査結果の要旨は掲載されておりません。各方面に問い合わせたところ,審査報告書は1年に1度,まとめての掲載であることが判明しました。そのため,こちらで「論...
2023年12月22日金曜日

現代の金融の基本形は「現金の金融仲介」でなく「信用創造による預金貨幣創出」である

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 1.問題の所在  この小論の目的は,「現金の金融仲介が金融の基本形である」という常識に疑問を呈し,金融仲介と信用創造という二つの信用形態を正しく位置付けることである。結論を先取りすると,正貨流通の下では現金の金融仲介は,信用創造と並んで独自の役割を果たす。しかし,正貨流通の停止...
2023年12月20日水曜日

Nippon Steel's Acquisition of U.S. Steel: Voices from Past, Voices for Future

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Aims and Challenges of Nippon Steel's Acquisition of US Steel Voices from the Past, Voices for the Future Nozomu Kawabata (Professor, Gr...
2023年12月19日火曜日

日本製鉄によるUSスチール買収の狙いと課題:過去からの声,未来への声

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 日本製鉄はUSスチール(USS)買収を発表した。来年4月にUSSの株主総会が承認することが前提だ。買収総額は141億2600万ドル(2兆100億円)。USスチールの12/15株価に対して40%のプレミアムを支払う。借入金は日本の金融機関より。買収により日鉄のD/Eレシオは0.5...
2023年12月17日日曜日

貨幣発行と流通のしくみ(その9)おわりに

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 12 おわりに  まとめに入ります。この講演は,「お金はどこから来て,どこへ消えるのか」についてお話ししました。それを通して知って欲しかったことは二つです。  一つは,普段の生活では気がつきにくい,お金の本当の姿です。お話ししたことの中から列挙してみましょう。まず,現代社会...

貨幣発行と流通のしくみ(その8)金融システム以外にも通貨供給ルートはあるか

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 11 金融システム以外にも通貨供給ルートはあるか  ここまで私は,金融システムを通した通貨供給のことだけをお話ししてきました。預金貨幣は銀行が発行するものであり,中央銀行券は中央銀行が発行するものですから,もちろん,金融システムが本来の通貨供給ルートなのです。しかし,現代社...

貨幣発行と流通のしくみ(その7)結局,どんな時に貨幣流通量が増え,どんな時に減るのか

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 10 結局,どんな時に貨幣流通量が増え,どんな時に減るのか  さて,これで一通り貨幣が発行されて流通に入り,やがて流通から出ていくしくみについてお話ししました。それでは,結局のところ,どんな時に貨幣流通量が増え,どんな時に減ると言えばいいのでしょうか。ごく簡単に言えば,銀行...

貨幣発行と流通のしくみ(その6)銀行は,まず個人や企業から預金を集めて,それを又貸ししているのではないのか/銀行は自分で預金を生み出せるのに,なぜ預金を集めようとするのか

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 8 銀行は,まず個人や企業から預金を集めて,それを又貸ししているのではないのか  しかし,なお疑問が残るかもしれません。そもそも預金とは,個人や企業が銀行にお金を預けたときに発生するのではないのか。銀行の融資とは,預けられた預金を原資に,それを企業に又貸ししているのではない...
2023年12月13日水曜日

貨幣発行と流通のしくみ(その5)預金や中央銀行券は,今では金貨で返済してもらえないが,それでも債務として有効なのか?

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 7 預金や中央銀行券は,今では金貨で返済してもらえないが,それでも債務として有効なのか?  しかし,現代の銀行預金や中央銀行券が信用貨幣であるというと,疑問を持たれる方も少なくないと思います。金本位制の場合と異なり,預金や中央銀行券が兌換されない,つまり債務を金貨で返しても...
2023年12月12日火曜日

貨幣発行と流通のしくみ(その4)手形が貨幣になると言ったが,預金や中央銀行券も手形の一種だということか

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 6 手形が貨幣になると言ったが,預金や中央銀行券も手形の一種だということか  私はまず,預金や中央銀行券が貨幣だと言いました。それから,手形が貨幣になるけれども,商業手形だと完全な貨幣とは行かないと言いました。この二つを合わせて次に言いたいのは,預金や中央銀行券は信用度の高...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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