Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2023年4月30日日曜日

なぜFRBは,MMF相手のリバースレポ取引を通した金融引き締めを行っているのか

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1 理解すべき現状  本稿の目的は,2023年春において,FRBが,MMF相手のリバースレポ取引を通した金融引き締めを行っていることの理由と意義を論じることである。本稿が念頭に置いている事実関係は以下のものである。 ・FRBはインフレ対策のため,短期金利(FFレート)の高め誘導を...
2023年4月23日日曜日

唐嫘夢依・川端望「中国におけるネット小説ビジネス:プラットフォームとユーザー生成コンテンツ(UGC)の視点から」の最終版(査読済雑誌掲載版)がWeb公開されました

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 唐嫘夢依・川端望「中国におけるネット小説ビジネス:プラットフォームとユーザー生成コンテンツ(UGC)の視点から」研究年報『経済学』79巻1号掲載の完成版PDFが,東北大学機関リポジトリTOURで公開されました。無料ダウンロードいただけます。草稿DP版の公開は停止しました。 こち...
2023年4月21日金曜日

Vaclav Smil, Still the Iron Age: Iron and Steel in the Modern World, Butterworth-Heinemann, 2016.を読んで--「今もなお鉄の時代」

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 Vaclav Smil, Still the Iron Age: Iron and Steel in the Modern World, Butterworth-Heinemann, 2016.  流し読みながら、ようやく通読できた。スミル氏は,食料,エネルギー,環境問題の専門...
2023年4月14日金曜日

神戸製鋼所がオマーンでの直接還元鉄製造事業を本格的に検討

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   神戸製鋼所と三井物産は,オマーン国ドゥクム特別経済地区において直接還元鉄製造事業の本格的検討を加速すると発表した 。生産能力は年間500万トン。神戸製鋼所の子会社であるMIDREX社の技術を用いる。このニュースは,日本鉄鋼業の将来を照らすものかもしれない。  日本の鉄鋼メー...
2023年4月4日火曜日

ウルトラマンと人間・郷秀樹:上原正三は何に挑戦し,どのような矛盾に直面したか

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 『帰ってきたウルトラマン』における一つの謎は,郷秀樹とウルトラマン(いまではウルトラマンジャックと呼ばれる)の人格はどのような関係にあったのかということである。本稿は,この作品のメインライターであった上原正三が,この関係をどのように設定しようとしたのか,結果としてどのようにこの...
2023年4月3日月曜日

浜田宏一氏の証言を手掛かりに,もう一度アベノミクスと賃金について考える

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   浜田宏一教授インタビュー 。いろいろ考えるべきことはあるが,いまさら浜田教授ご自身を批判してもあまり生産的ではない。ここでは,アベノミクスはトリクルダウン狙いではなかったという主張に批判的にコメントするとともに,その一方,賃金を抑圧したのはアベノミクスではなかったことにも注...
2023年4月1日土曜日

『産業学会研究年報』第37号がJ-Stageで公開されました

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 昨年,編集に携わった『産業学会研究年報』第37号がJ-Stageで公開されました。紙媒体発行から1年後に無償公開されることになっています。以下でご覧になれます。ただいま第38号を初校ゲラ校正中です。 第37号トップ https://www.jstage.jst.go.jp/br...
2023年3月31日金曜日

「投資が同額の貯蓄を生む」ことの例解について:「貯蓄が投資の源泉」であるかどうかにも触れて

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  講義でマクロ経済におけるY=C+I(所得=消費+投資),Y=C+S(所得=消費+貯蓄),よってI=S(投資=貯蓄)の恒等式を説明する。私のマクロ経済学理解では,これは「投資が同額の貯蓄を生み出す」と理解すべきであり,そのように話すのだが,学生が感覚レベルで納得しない。日常感覚...
2023年3月25日土曜日

李捷生氏大阪公立大学退官記念講演会にオンライン出席して

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  3月18日に,李捷生氏の大阪公立大学退官記念講演会にzoom参加した。  私は大阪市立大学経済研究所において,氏の前任者であった。自分が転出することになった1997年のある日,後任をどうしたらいいだろうと,同僚の植田浩史氏(現・慶應義塾大学)と話し合ったときのことを覚えている...
2023年3月23日木曜日

岡崎次郎『マルクスに凭れて六十年 自嘲生涯記 増補改訂新版』航思社,2023年を読んで:マルクス学の商売,その歴史と現在

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 岡崎次郎『マルクスに凭れて六十年 自嘲生涯記 増補改訂新版』航思社,2023年。一体,何が起こったのかと思った,まさかの復刊。旧青土社版(1983年)を買ってはいないが,渡辺寛氏との問答の記述が記憶に残っているから,たぶんちらちら見たことはあるのだろう。岡崎次郎と言えば,私の世...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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