Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2022年8月31日水曜日

『アジア経営研究』第28号と『ベトナムの味』

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 『アジア経営研究』第28号が届きました。当ゼミの修了生Nguyen Kim Ngan グエン・キム・ガンさんの論文”Issues in international manufacturer-supplier relationship: A multi-case study of...
2022年8月28日日曜日

JFEスチールが西日本製鉄所倉敷地区で高炉1基を停止し大型電炉を増設するという報道に接して

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 JFEスチールが西日本製鉄所倉敷地区の高炉1基を2028年前後に停止し,あわせて大型電炉を建設するという報道。日本製鉄に3年遅れを取ったが,ついに決断したか。事実だとよいが(9/1 JFEスチールはカーボンニュートラル戦略説明会を開催し,この報道が事実であることを裏付けた。) ...
2022年8月23日火曜日

預金貨幣の内生的供給と外生的供給:岡橋保『インフレーションの経済理論ーー預金貨幣インフレーションの研究』世界文化社,1948年の先駆的意義

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  岡橋保『インフレーションの経済理論ーー預金貨幣インフレーションの研究』は,戦後直後の日本におけるインフレーションを,貨幣理論によって把握しようとした労作である。本書は1948年発行であり,紙質も印刷状態もよくないものであって,今日どれほど残存しているのかが懸念される。しかし,...
2022年8月17日水曜日

マルクス派信用貨幣論とMMT:その一致点と相違点について

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1 問題の所在:マルクス派信用貨幣論とMMTが対話する必要性  私は,現代の貨幣のほとんどを信用貨幣,すなわち流通する債務証書として説明する立場である。この立場は,近年台頭している現代貨幣理論(MMT)も唱えるところである。ただし,私の立脚点は,貨幣と金融システムについては,日本...
2022年8月15日月曜日

安達宏昭『大東亜共栄圏 帝国日本のアジア支配構想』中央公論新社,2022年を読んで

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  著者にいただいた安達宏昭『大東亜共栄圏 帝国日本のアジア支配構想』を読了した。以下,今回気づかされた点を列挙する。 *泥縄。「大東亜共栄圏」の語が初めて登場したのは,日独伊三国同盟の交渉の過程で,日本の勢力圏を認めさせるためであった。ところがこの勢力圏としての大東亜共栄圏は対...
2022年8月4日木曜日

資本主義は私的領域まで商品化・市場化し,経済的ユートピアと人間関係のディストピアを築くのか:ブランコ・ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った』最終章によせて

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  学部ゼミで ブランコ・ミラノヴィッチ(西川美樹訳)『資本主義だけ残った』(みすず書房,2021年) を読み通した。色々と論点はあったが,ここでは最終章の「資本主義は私的領域まで商品化・市場化し,経済的ユートピアと人間関係のディストピアを築くのか」という問いを考えてみたい。話が...
2022年7月27日水曜日

斎藤幸平『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』堀之内出版,2019年を読んで

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  いま世間で話題のマルクス経済学者と言えば,斎藤幸平氏であろう。実は,私は『人新世の資本論』(集英社新書,2020年)については,共産主義をめざせ的なアジテーションにいま一つついていけなかった。私が政策論としてはグリーン・ニューディール論者だからであろう。しかし,今回,同書より...
2022年7月20日水曜日

リピアーは神永と出会い,神永と融合したウルトラマンに禍特対の人々は出会う。そこにいるのは個体と個体であって,アメリカと日本ではないーーー『シン・ウルトラマン』を観て大澤真幸説と対話する

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(この拙文は,映画『シン・ウルトラマン』をすでにご覧になった方に向けたものです)    大澤真幸「ウルトラマンはどうして人類を助けるのか?~映画『シン・ウルトラマン』から考える」imidas,2022年7月8日 は,は,かつての 佐藤健志『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』文藝春...
2022年7月14日木曜日

統一協会(統一教会)が行ってきたことは家庭の破壊であり,「家庭の価値」の尊重ではない

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   全国霊感商法対策弁護士連絡会記者会見(7月12日) の報道があった。 「昨日の田中統一教会会長のコメントはあまりにも事実に反すると言わざると言わざるを得ない。統一教会として反省していただいて、こういう家族の悲劇、苦痛について配慮していただきたい。一番私達が一番許せないのは、...
2022年6月28日火曜日

安倍晋三氏には「悪夢のような」現実を作り出した責任がある

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   あいも変わらず「悪夢のような」を繰り返す安倍晋三氏。 金融を引き締めたら「『悪夢のような時代』に戻ってしまう」のだそうだ。しかし,悪夢のように忌まわしいのは本当のところ何なのか,誰がどのようにそれを引き起こしたのかを考えてみよう。   6月20日に投稿したように ,日銀はい...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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