Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2022年6月28日火曜日

安倍晋三氏には「悪夢のような」現実を作り出した責任がある

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   あいも変わらず「悪夢のような」を繰り返す安倍晋三氏。 金融を引き締めたら「『悪夢のような時代』に戻ってしまう」のだそうだ。しかし,悪夢のように忌まわしいのは本当のところ何なのか,誰がどのようにそれを引き起こしたのかを考えてみよう。   6月20日に投稿したように ,日銀はい...

追悼・渡辺宙明先生。『組曲バトルフィーバーJ』と『電子戦隊デンジマン音楽集』の日々

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 2022年6月27日,渡辺宙明先生が亡くなられた。私にとって最初の渡辺ソングと言えば,小学生時代の「Zのテーマ」であった。人の命が尽きた後も不滅の存在があるのだと信じた。その後,次第にどうかしていきながら高校生となり『組曲バトルフィーバーJ』と『電子戦隊デンジマン音楽集』のLP...
2022年6月20日月曜日

日銀のジレンマもしくはバクチ打ち

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  日銀が連続指値オペで国債を買い支えられるかどうか=長期金利を低め誘導し切れるかどうか,それはわからない。しかし,どちらになっても良いことは起きない可能性の方が高い。  買い支えに失敗すれば長期金利が高騰する。企業の資金繰りは悪化し,景気は冷え込む。円安の進行は止まるだろうが,...
2022年6月16日木曜日

「インフレか失業か」という金融政策の限界について

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 金融政策では,景気過熱によるディマンドプルインフレに対して利上げで対抗する。それは中央銀行にとって,できることはそれしかないという点ではもっともだ。しかし,この政策がマクロ経済に対して果たす客観的役割は,失業率を高めて労働市場にバッファを作り出すことで,インフレを鎮めるというも...
2022年6月14日火曜日

「新規学卒採用」に過度に依存する限り,「氷河期」という理不尽はまた起こる

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  武田安恵「自己責任も甘えもウソ 氷河期、大卒就職率低下の真実」『日経ビジネス』2022年6月10日 は,1990年代半ばから2000年代半ばに就職氷河期が発生したのは自己責任ではなく,1)団塊世代の人件費が重く,企業が採用を抑制した,2)製造業で高卒の働き口が激減し,この世代...
2022年6月10日金曜日

「日本の家計が値上げを受け容れている」を炎上させるだけでは,重大なことを見失う

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 日銀総裁の発言から「日本の家計が値上げを受け容れている」だけ切り取って,炎上させて終わりでは,重大なことを見失う。 黒田総裁発言該当箇所 「ひとつの仮説としては、コロナ禍における行動制限下で蓄積した「強制貯蓄」が、家計の値上げ許容度の改善に繋がっている可能性があります。いずれに...
2022年6月4日土曜日

『産業学会研究年報』第37号が発行されました

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 『産業学会研究年報』第37号が完成しました。編集委員長になって4冊目です。招待論文2本,査読付き投稿論文10本,書評8本を掲載できました。 ■招待論文 "日本繊維産地の構造変化と主体的行為―衣服製造産地を例に―" (奥山雅之) "グローバル化/ファ...
2022年5月31日火曜日

エネルギー,農業,労働などサプライサイドへの介入が必要な日本:スティグリッツ教授のインタビューに思う

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 ブルームバーグによる ジョセフ・スティグリッツ教授インタビュー 。  ディマンド・プル・インフレが悪化するというのは,供給能力が枯渇するかボトルネックにつきあたっているということである。だから,人々の生活が向上するような形で供給の方を増やせばインフレも緩和できる。スティグリッツ...
2022年5月26日木曜日

問題は円安是正ではなく,再分配であり弱者支援である:上場企業の最終利益は過去最高という報道を受けて

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  「上場企業最終利益、計33兆円で4年ぶり最高更新の見通し…円安など追い風」『読売新聞』2022年5月13日 を受けて。   円安は誰にとっても不利益というものではない。こうして輸出企業や,海外事業比率の高い企業は大儲けである。「日本にとって円安が不利だ。円安を放置する日銀が悪...
2022年5月22日日曜日

一致点と相違点が明らかになった,公共貨幣論との対話

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 下田氏より再び リプライ をいただいた。今回の,信用貨幣システムの理解については,ほぼ異論はない。拙論を理解いただいたところもあり,対話の甲斐があったと思う。  景気循環におけるポジティブ・フィードバックについては,私自身の課題を痛感する。それがあることはまちがいないが,なぜ,...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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