Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2022年5月31日火曜日

エネルギー,農業,労働などサプライサイドへの介入が必要な日本:スティグリッツ教授のインタビューに思う

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 ブルームバーグによる ジョセフ・スティグリッツ教授インタビュー 。  ディマンド・プル・インフレが悪化するというのは,供給能力が枯渇するかボトルネックにつきあたっているということである。だから,人々の生活が向上するような形で供給の方を増やせばインフレも緩和できる。スティグリッツ...
2022年5月26日木曜日

問題は円安是正ではなく,再分配であり弱者支援である:上場企業の最終利益は過去最高という報道を受けて

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  「上場企業最終利益、計33兆円で4年ぶり最高更新の見通し…円安など追い風」『読売新聞』2022年5月13日 を受けて。   円安は誰にとっても不利益というものではない。こうして輸出企業や,海外事業比率の高い企業は大儲けである。「日本にとって円安が不利だ。円安を放置する日銀が悪...
2022年5月22日日曜日

一致点と相違点が明らかになった,公共貨幣論との対話

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 下田氏より再び リプライ をいただいた。今回の,信用貨幣システムの理解については,ほぼ異論はない。拙論を理解いただいたところもあり,対話の甲斐があったと思う。  景気循環におけるポジティブ・フィードバックについては,私自身の課題を痛感する。それがあることはまちがいないが,なぜ,...
2022年5月9日月曜日

公共貨幣論への再批判・再反論・要望と期待

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  下田直能氏の著書 に対する 論評 に対して 反論 を賜り,それに対して 再度のコメント を行ったが,このたび 「商品需要量・流通貨幣量の均衡自体の乱高下」 と題された再反論を賜った。引き続きの真摯なご対応に感謝したい。  互いの主張が明確になったことや,これ以降は私自身がもっ...
2022年5月6日金曜日

マッチングビジネスをシェアリングエコノミーと呼んでいいのだろうか

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 本日の学部ゼミ。ゼミ生2人の卒論構想報告と討論を行った。  一つ目は日本でのライドシェアリングの普及の可能性についての構想で(板書1),論点は三つ。1)市場競争における競合相手の強弱。つまりタクシーや他の公共交通機関が弱いところでライドシェアリングが伸びる。2)プラットフォーム...
2022年5月1日日曜日

夜の世界から来た怪物くん:藤子不二雄A先生の訃報に接しての投稿

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 私は1964年生まれですが,自分にとって藤子不二雄A先生の独自作と言えば『怪物くん』です。もっとも,幼少の頃はF先生とA先生が別々の作品を描かれていたことにはまったく気づきませんでした。『怪物くん』のストーリーや登場人物は,『オバケのQ太郎』ほどには覚えていないのですがが,キン...
2022年4月29日金曜日

内生的通貨供給の機能と公共貨幣論批判:下田直能氏の反論に接して

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  公共貨幣論に対する私の 批判 に対して, 『お金は銀行が創っているの?』 の著者である下田直能氏から 反論 を賜った(※1)。丁寧なご対応に感謝したい。下田氏の反論は,貨幣流通に関する核心に触れるものであり,拙論との違いを掘り下げていくことにより,重要な論点の解明につながるこ...
2022年4月28日木曜日

公共貨幣論に対する見解まとめ:下田直能『お金は銀行が創っているの?』同時代社,2022年を踏まえて

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  下田直能『お金は銀行が創っているの?』同時代社,2022年 。信用創造廃止=公共貨幣論の3冊目だが,言うべきことは,これまで読んだ2冊に対してとほとんど変わらない(※1)。著者は山口薫氏の主宰する公共貨幣フォーラムの理事であり,その主張はおおむね『公共貨幣入門』と同じである。...
2022年4月27日水曜日

砲火の背後で企業は政治的選択を迫られ,貿易と投資が縮小していく

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  ロイターによれば ,中国のドローン大手DJIは,ロシア・ウクライナ事業を一時停止したと発表した。「危害を与えるため当社のドローンが使われることを好まない。戦闘に使われることがないようこれらの国で販売を一時停止する」とのこと。しかし, 高口康太氏の記事 からすると,その背景には...
2022年4月21日木曜日

アゾフスターリ製鉄所とは

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 ウクライナのマリウポリに位置するアゾフスターリ製鉄所のスペック。いまは人命が何より大事であるが,それだけに製鉄所がもともとどのようなものであったか気にする人も少ないだろう。鉄鋼オタクの任務としてこの製鉄所を保有する METINVEST社の英文サイト から整理しておく。スペックは...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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