Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2022年2月27日日曜日

ロシア中央銀行に対する金融制裁:どのように行うのか,どこまで有効か,金と中国元は抵抗要因になるか

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  欧州委員会,フランス,ドイツ,イタリア,イギリス,カナダ,アメリカの共同声明( ※1 )によれば,ロシアへの金融制裁として,いくつかの銀行に対するSWIFTからの排除と,中央銀行の国際準備資産運用の制限が実施される。  SWIFTからの排除とはどのようなものであるかについては...
2022年2月26日土曜日

ロシアのSWIFTからの排除で何ができて,何はできないか

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 ロシアに対する経済制裁の選択肢としてSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除が話題になっている。しかし,上垣彰先生の示唆で気づいたのだが,どうも一般にはその作用が過大に理解されているように思える。  どこが過大か。それは「SWIFTから排除されるとロシアは国際決済ができなくな...
2022年2月25日金曜日

いくつもの戦争への扉を開くプーチンの屁理屈

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 私はロシア史やウクライナ史に通じていないために,歴史的背景をきちんと踏まえたことは言えない。しかし,書生論になるのを覚悟で言えば,プーチンの論理は世界各地において戦争への扉を開くものだと思う。なお、プーチンが言う「ウクライナの非軍事化と非ナチ化」(本当にこう言ってる)を、軍隊を...
2022年2月24日木曜日

成長と分配はどちらが大事か:動画・現代資本主義におけるマクロ経済政策第18-19回

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 ある経済が失業を抱えている時と成長の天井に近い状態にある時とでは,成長と分配の関係は異なる。何度も言うが,「いつでもまず成長だ」ということもなければ,「いつでもまず分配だ」ということもない。何度も何度も言うが,いつでも「とにかく成長しないと話にならない」ということもなければ,こ...
2022年2月23日水曜日

マルクス説の不足と補充の必要性(2)どのように個人的所有を実現し,人間と自然の物質代謝を持続可能にするか:資本主義への道,アソシエーションへの道 第8回

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 マルクス説の不足と補充の必要性(2)。政治革命後にアソシエーションの経済を構築しなければならないが,集権的計画経済の失敗を経た今,個人的所有を再建する仕組みとはどのようなものなのかはまだ明らかになっていない。詳細は,実際にやりながらでないとわからないにしても,概要くらいわからな...
2022年2月21日月曜日

マルクス説の不足と補充の必要性(1)資本主義的生産様式は何をもたらすか:資本主義への道,アソシエーションへの道 第7回

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 マルクス説の不足と補充の必要性その1。これは経済学入門の講義なので,政治的価値判断ではなく経済学として考える姿勢で臨む。またいろいろ言い出すときりがないので,『資本論』第1巻の範囲内で,もっとも根源的と私が思うところを述べる。それは,資本主義的生産様式の発展が,スキルの平準化さ...
2022年2月19日土曜日

人類史の段階区分:資本主義への道,アソシエーションへの道 第6回

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  マルクスは人類史をどのように段階区分したと見るべきかという無茶苦茶にデカい話を,何のためらいもなく数分で行う。前回も言ったが,そうせずに考え込み過ぎると,授業が終わる前に一生が終わるからである。  この講義では,教科書の著者大谷禎之介氏とともに人格依存ー物象依存―自由な諸人格...
2022年2月14日月曜日

アソシエーションの下での個人的所有の再建(2):資本主義への道,アソシエーションへの道 第5回

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 「アソシエーションの下での個人的所有の再建」の内容。ここでのマルクス理論史上の問題は,『資本論』においてアソシエーション,端的には共産主義社会への変革が「私的所有を再建しない」が「個人的所有を再建する」と断定していることをどう理解するかである。これに対する理解でもっともありふれ...
2022年2月12日土曜日

資本主義の発展と消滅。アソシエーションの下での個人的所有の再建(1):資本主義への道,アソシエーションへの道 第3回、第4回

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 「個人的所有の再建」。さすがにこれを避けると授業が終わらないので,歯が立とうが立つまいが,やる。まずはとりあえず,それは「いろいろな事情で:今までの社会主義国では成り立たなかった」と言っておく。「それだけかい!」と突っ込みが入って当然だが,ここで「まずその前に,これまでの社会主...
2022年2月11日金曜日

石原慎太郎氏は自分を省みなかった

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 私は,ものごころついて以来,石原慎太郎氏が保守だ右翼だというのはわかりきったことなので,いちいち気にしたことはない。しかし,この人が,一切自分を省みないところは,受け入れられなかった。石原慎太郎氏こそ「ブーメラン」の人だと思う。 「ああいう人ってのは人格あるのかね」→自分の人格...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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