Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2021年6月27日日曜日

川端望・銀迪「現代中国鉄鋼業の生産システム: その独自性と存立根拠」を『社会科学』(同志社大学人文科学研究所)に発表しました

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 同志社大学人文科学研究所発行の『社会科学』誌に,院生の銀迪さんとの共著論文を発表しました。極度の鉄鋼オタク論文ですが,一応,生産システムの理論的考察を深めたつもりです。また実証的には,21世紀初めの中国鉄鋼業の爆発的成長は大型高炉一貫システムだけによって担われたものではなく,む...
2021年6月15日火曜日

日本製鉄における国際競争の論理:伸びる市場と縮む市場

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  日本製鉄の橋本英二社長が中国鉄鋼業との競争の厳しさを盛んに訴えているが,日本国内では反応が鈍い。これは,他の産業と異なり,中国製鋼材に日本市場にあふれているわけではないからだろう。実は,中国政府自体も貿易摩擦を警戒するのと脱炭素のため,鉄鋼輸出を抑制しているの現実だ。  それ...

『産業学会研究年報』第36号刊行

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  『産業学会研究年報』第36号,発行されました。今号は,査読制度改革後の最初の号です。「招待論文」「投稿論文」のそれぞれの性格を明確にしました。また書評選考プロセスを改革し,NDL-ONLINEを用いて会員著作を見逃さないようにしました。論文10本,書評15本が掲載されています...
2021年5月21日金曜日

銀迪・川端望「高成長期の中国鉄鋼業における二極構造 ―巨大企業の市場支配力と小型メーカーの成長基盤の検証―」を公表しました。

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 ゼミ生の銀迪さんが第一著者のディスカッション・ペーパーを発刊しました。このペーパーは,私を第一著者としてまもなく『社会科学』(同志社大学人文科学研究所)に出る論文と対をなし,高成長期中国鉄鋼業の生産システムと企業・産業構造を論じます。画像は本稿の分析枠組みを示すもので,6ページ...
2021年5月19日水曜日

Q&A 管理通貨制下における信用貨幣・現金・貨幣的インフレーション

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 学生との対話用メモ。 Q:「管理通貨制のもとでは債務が正貨で返済されない」「債務をより信用度や通用性の高い上位の債務に置き換えて返済することしかできない」とはどういうことか。それでは債務はどこまでいってもなくならないのではないか。 A:債務を返済する際に,管理通貨制のもとではそ...
2021年5月16日日曜日

コロナ対策は何をもたらしたか:信金中央金庫地域・中小企業研究所のレポートを手掛かりに

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 信金中央金庫 地域・中小企業研究所から発行された峯岸(2021)は,この1年間の新型コロナ対策をマクロ経済政策として評価する上で,貴重な分析を提供してくれている。このレポートを基礎に,コロナ対策の家計と企業への影響を整理してみた。なお,峯岸(2021)が主に使用した日銀『資金循...
2021年5月12日水曜日

新ウルトラマン(現:ウルトラマンジャック)はいつ初代ウルトラマンと別人になり,いつウルトラ兄弟になったのか

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 『帰ってきたウルトラマン』最大の謎。それは,なぜ「帰ってきたウルトラマン」なのに初代ウルトラマンと別人なのか,逆になぜ別人なのにウルトラマンが「帰ってきた」ことにされているのかである。さらに,その設定はいつからできたのか,当時の視聴者は別人だと認識していたのか,ウルトラ兄弟とい...
2021年5月5日水曜日

研究倫理教育とAPA法研修

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 大学から学部生への研究倫理教育を義務づけられているのだが、「盗作するな。注を付けろ」と説教しただけで身につくわけもない。そこで、近年はゼミでAPA法の注の付け方の研修を行っている。今回は、古典的スタイルで注記された論文をAPA法の注記に直すという実習だ。まともに10何人も添削す...
2021年4月26日月曜日

小川一夫『日本経済の長期停滞:実証分析が明らかにするメカニズム』日本経済新聞出版,2020年を読んで

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  「日本経済」講義準備。業務の波に飲まれかかり,読むのに2週間以上かかってしまった。  本書で小川一夫教授は,日本経済の長期停滞のメカニズムを,主に投資停滞の原因を探るという角度から,計量的実証によって明らかにしている。不確実性を伴う期待収益率の動きが投資停滞の原因と考える私に...
2021年4月14日水曜日

研究年報『経済学』の発行主体変更について

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 東北大学経済学研究科・経済学部の紀要である研究年報『経済学』は,1934年の創刊以来,「東北大学経済学会」を発行母体としてきました。外部団体の体裁をとって,教員や読者から会費をいただいて発行し,発行した雑誌の一定部分を大学が買い取っていたのです。一時は岩波書店から販売もしていま...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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