Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2020年2月28日金曜日

トイレットペーパーが輸入できずに足りなくなるというのはデマ:調べたら国産化率97%

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2018年のトイレットペーパー需給関係 生産:104万6310トン 輸出:889トン (統計品目4818.10) 輸入:3万2248トン (同上) 見掛消費(生産-輸出+輸入)=107万7669トン 国産化率(生産/見掛消費)=97% 輸入依存率(輸入/見掛消費)...
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2020年2月23日日曜日

日本災害医学会理事会の「新型コロナウイルス感染症対応に従事する医療関係者への不当な批判に対する声明」によせて

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 私たちは勝手だ。社会の中で生きているのに,自分の好き勝手に生きたいと思う。いずれは死ぬと決まっているのに,死にたくないと思う。できっこないことを一番大事だと決めつけて,一番大事なことだから何をさておいても主張していいのだと思考を停止する。そんな私たちだから,私たちを守ってくれる...
2020年2月14日金曜日

日本製鉄の設備集約について

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日本製鉄は厳しい設備集約に乗り出した(※1)。高炉を一度に4基も休止するのは1980年代の円高不況期以来のことではないか。対象となる製鉄所の製銑・製鋼設備を見ておくと以下の通り。*が休止する設備。確かに稼働率が悪いことがわかる。  日鉄和歌山製鉄所について追加コメントすると,こ...
2020年2月6日木曜日

クレイトン・クリステンセン教授の逝去によせて

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 クレイトン・クリステンセン教授が亡くなられた。私は彼の破壊的イノベーション理論に気づくのが遅れ,2010年代になってから慌てて学部ゼミの教科書に採用して学んだ。記録によると2014年度第1学期に『イノベーションへの解』,2018年度第1学期に『イノベーションの最終解』と「日本は...
2020年1月24日金曜日

2019年の中国鉄鋼業の状況と,能力置換プロジェクト公告・登録の停止通知について

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 1月22日,国家発展改革委員会は「鋼鉄行業2019年運行情況」を公表した。それによると,2019年の中国銑鉄生産は8億937万トン(前年比5.3%増),粗鋼生産は9億9634万トン(同8.3%増),鋼材生産は12億477万トン(同9.8%増)であった。鋼材は重複計算を含むので,...
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牧野邦昭『新版 戦時下の経済学者』中央公論新社,2020年を読んで

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牧野邦昭『新版 戦時下の経済学者』(中央公論新社,2020年) 読了。本書は「個々の経済学者が自身の経済学研究に基づいて主張した思想や行動が,現在の視点から見て当時の日本社会や経済学の動きのなかでどのような役割を果てしており,最終的にはどのような形で総力戦体制に取り込まれざるを得...

牧野邦昭『経済学者たちの日米開戦:秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』新潮社,2018年を読んで

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  牧野邦昭『経済学者たちの日米開戦:秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』新潮社,2018年。 日米の経済抗戦力の巨大な格差を分析した「幻の報告書」が握りつぶされたのが問題だという,先行研究の捉え方を覆し,むしろ握りつぶされずに正確な情報が伝わったのに開戦阻止につながらなかった,い...
2020年1月19日日曜日

「この外国人をホワイトカラー職務に就かせる」と約束して肉体労働をさせる違法行為は,外国人労働者も日本人労働者も大学をも脅かす

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  「“高度外国人材”として働けない」NHKニュースおはよう日本,2020年1月14日 で報道されているように,「技術・人文知識・国際業務」ビザの外国人労働者に土木作業,倉庫の整理,牛舎の片づけやえさやりなどをさせているのは違法行為である。外国人労働者当人でなく,会社によって引き...
2020年1月13日月曜日

テッド・チャン『息吹』『あなたの人生の物語』を読んで

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テッド・チャンの中短編集から考えさせられるのは,時間に対する感覚や意識的・無意識的な思考の枠組み,あるいは思い込みが,私たちのものの見方,考え方,人生に対するとらえ方を深いところで規定しているということだ。作者は,その感覚,枠組み,思い込みが通用しない世界を見せてくれる。ただし,...
2020年1月6日月曜日

井上智洋『MMT 現代貨幣理論とは何か』講談社,2019年を読んで

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 本書は,MMTの経済学的な主張をなるべくわかりやすい形で考察しようという本であり,日本経済の現状分析やMMT派の政策宣伝,またMMT派や否定派の双方にありがちな論敵への批判を重点に置いた本ではない。その点では,MMTを冷静に理論的に考えることに向いている。私もそういうものとして...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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