Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2019年5月29日水曜日

続々:留学生が日本の大学を卒業して就職する際の条件緩和について

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 法務省が,日本の大学を卒業した留学生が就職できる範囲を広げ,日本語能力がN1に達しているのであれば,接客業や小売業でも認めるという報道がありました。  以前に書きましたように( 1 , 2 ),私はホワイトカラー業務や専門職への就職制限を緩和することには賛成ですが,ブルーカラ...
2019年5月25日土曜日

リンク集:年俸制適用拡大をはじめとする国立大学法人等人事給与マネジメント改革について

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久しぶりに組合サイドのセミナーをしなければならず,国立大学教員への年俸制適用拡大について調べる。意外と,金額的に直ちに響くのは最後の社会保険料のところだったりするので注意。 「統合イノベーション戦略」閣議決定,2018年6月15日。 https://www8.cao.go....

対中関税引き上げとは,アメリカ政府がアメリカ国内の企業と労働者と消費者を苦めることだ

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 米中の関税引き上げ合戦でどっちが勝つかなどと考えるのは非常識で,問題の立て方がおかしい。アメリカが関税を引き上げれば中国からの輸入品が高くなり,代わりに別の国から輸入することにしても,以前よりは輸入価格は上がってしまう。丸損するのはアメリカの消費者である。消費が落ち込めば,輸入...
2019年5月15日水曜日

「(仮称)仙台市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」案に対する意見

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 2019年5月10日,以下の意見を仙台市議会事務局長に提出しました。 ーーー  市政の充実のために奮闘する市議会の皆様に敬意を表します。「(仮称) 仙台市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例 」案について,大変興味深く拝見いたしました。以下のように意見を提出いた...
2019年5月11日土曜日

MMT(現代貨幣理論)の経済学的主張と政治的含意

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  朴勝俊教授によるL. Randall Wray の Modern Money Theory の要点解説 が公表されたおかげで,MMTへの理解をいくらか進められた。趣旨は読んでいただくとして,以下,私が留意点と思ったことをノートする。 *レイのMMTは信用貨幣論である。これ...
2019年5月7日火曜日

MMTが「財政赤字は心配ない」という理由:政府財政を中央銀行会計とみなすこと

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ネット記事では「MMT(現代貨幣理論)は財政赤字を心配する必要がないと主張している」と報道されていて,これに多くの人が困惑している。あるいは,そんなことあるわけないだろうと一蹴している。私もずっと困惑していたが,これはMMTによる「財政」というもののとらえ方が,従来の常識と全く異...
2 件のコメント:
2019年5月4日土曜日

信用貨幣論ノートを書き終えての感慨

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 信用貨幣論のノートを書き終えてつくづく思ったことがある。私は,いくら考えても,信用貨幣論・貸付先行説のモデルの方が,不換紙幣論・預金先行説のそれより実務に即して,現実を無理なく解釈できると思う。イデオロギーの問題ではなく,現実に対する説明力の問題としてそう思う。ところが,これは...
2019年5月2日木曜日

信用貨幣論と貸付先行説によって「非伝統的金融政策」とリフレーション論を批判する:MMT論議の準備を兼ねて(第5,6節)(完)

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5.「リフレーション」派と「期待に働きかける」派の誤り  以上の検討結果は,「非伝統的金融政策」が効かない理由を説明するとともに,この政策の正当性を主張したリフレーション派の主張が現実を説明できず,適切な金融政策を提言できていないことを示している。「マネタリーベースを増や...

信用貨幣論と貸付先行説によって「非伝統的金融政策」とリフレーション論を批判する:MMT論議の準備を兼ねて(第4節)

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4.「非伝統的金融政策」はなぜ効かないか (1)問題の所在  中央銀行は,国債など金融資産の売買オペレーションや,民間銀行への貸付金利の操作によって短期金利を調整する。金利を調節することが,金融政策の基本線である。ここまでは,信用貨幣論と不換紙幣論に対立はない。 ...

信用貨幣論と貸付先行説によって「非伝統的金融政策」とリフレーション論を批判する:MMT論議の準備を兼ねて(第3節)

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3.管理通貨制の下での通貨供給量の伸縮の説明  本節では,二つの通貨・銀行モデルによって現実の中央銀行のオペレーションや銀行業務を理解することを試みる。とくに,通貨供給量の伸縮のメカニズムをどのようにとらえるかを比較分析することで,モデルの解像度,現実解釈への有効性を判定...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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