Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2019年3月29日金曜日

アベノミクスは誰に一番厳しかったか

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アベノミクスの個人への効果は,資産保有,就業条件,年齢階層によって異なっていた。給料も資産もない,年金だけで暮らす高齢者にはもっとも厳しかったのだ。  超金融緩和は,株高を通して資産保有層を大いに潤した。そして労働者に対しては,程度の問題と格差の問題は大いにありながらも,雇用...
2019年3月21日木曜日

MMT(Modern Monetary Theory)についての覚書

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最近,欧米リベラルの一部が依拠しているらしいMMT(Modern Monetary Theory)について。講義に関連するので興味はあるが,オリジナルの論文を読んで勉強する余裕は到底ない。さりとて新聞記事レベルでは「いくら財政赤字を出しても大丈夫」という話としてしか紹介されておら...
3 件のコメント:
2019年3月18日月曜日

本格的な再分配政策には消費税「も」欠かせない:井手英策『幸福の増税論 -財政は誰のために』岩波新書,2018年を読んで

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 「日本経済」の2019年度講義準備。実は,昨年度は財政については最小限度しか触れていなかった。それは「財政学」という別の科目があるからだ。しかし,最小限度ふれようとすると2019年度はどうしても消費税について触れざるを得ないので,いままで放置していた井手英策教授の本を読むことに...
2019年3月11日月曜日

2018年度卒業論文特集号によせて ーあの日のゼミー (産業発展論ゼミ誌『研究調査シリーズ』No.37所収)

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 本号に収録するのは,2018年度に学部ゼミを修了する皆さんの卒業論文です。  ゼミを毎週やっていてもっとも気になるのは,「今日の経験は,ゼミ生の心に残るのだろうか」ということです。たいていの場合そんなわけはなくて,今日のゼミの内容も明日には忘れられるのかもしれません。でも,私...

三菱重工は賠償の可否とは別に挺身隊を働かせた事実についての見解を表明すべきだ

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 元朝鮮女子勤労挺身隊員訴訟。判決が日韓請求権協定と矛盾しているかどうかは,政府レベルで交渉するしかないが,私は政府と独立に,また賠償金を支払うかどうかは別にして,三菱重工が,女子勤労挺身隊を働かせた事実をどう受け止めているのかを表明すべきだと思う。三菱重工は当事者だからだ。また...
2019年3月9日土曜日

佐竹光彦・飯田泰之・柳川隆編『アベノミクスの成否』勁草書房,2019年の7つの章を読んで

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佐竹光彦・飯田泰之・柳川隆編(2019)『アベノミクスの成否』勁草書房。 講義に反映させる内容があればと思い,マクロ経済政策をとりあげた1-6章を読んだ。  どの論文もまちがっているとは思わない。着実に分析を行っていると思う。しかし,私にとってさほど新しい発見はなかった。なぜ...
2019年3月5日火曜日

年功賃金をそのままにした「働き方改革」で「同一労働同一賃金」は実現できるか

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  「大学職員に「同一労働同一賃金」はありえるのか?」大学職員の公募情報lite,2019年3月2日 。  この記事のライターは大学の職場に独特の事情をとりあげることを意図していたのだろうが,企業一般に存在する問題を言い当ててしまっている。 「契約職員の同⼀労働同⼀賃金を阻...
2019年3月3日日曜日

リフレーション派の理論的想定と「異次元緩和」の実際は矛盾している

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 この小論は,リフレーション派が目指したのは「名目的物価上昇が引き起こす需要増加」のはずだったが,実行された「異次元緩和」が刺激しようとしたのは「需要増加に伴う実質的物価上昇」であるという矛盾を示して,リフレーション論の果たした役割を指摘する。  ここでは,1990年代以後の...
2019年2月24日日曜日

古い本と現在の私

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 仙台駅前のE BeanS(=エンドーチェーン)で古本市があり,栃木県から「かぴぱら書房」という古書店が出店していた。ついうっかり,もうやるまいと思っていた「大学図書館にあるのだが手元に置きたいから買う」を3冊もやってしまった。  1冊目はひとつは私の師匠村岡俊三教授のそのま...
2019年2月22日金曜日

経団連の「就活ルール」廃止と「提案」をどう受け止めるか

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 以下は,『全大教新聞』第356号, 全国大学高専教職員組合 ,2019年2月10日に寄稿したものです。 --  2018年10月9日,日本経済団体連合会(経団連)は2021年度以降入社対象の「採用選考に関する指針」(いわゆる「就活ルール」)を廃止することを決定し,さらに...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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