Ka-Bataブログ

川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。

2019年2月24日日曜日

古い本と現在の私

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 仙台駅前のE BeanS(=エンドーチェーン)で古本市があり,栃木県から「かぴぱら書房」という古書店が出店していた。ついうっかり,もうやるまいと思っていた「大学図書館にあるのだが手元に置きたいから買う」を3冊もやってしまった。  1冊目はひとつは私の師匠村岡俊三教授のそのま...
2019年2月22日金曜日

経団連の「就活ルール」廃止と「提案」をどう受け止めるか

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 以下は,『全大教新聞』第356号, 全国大学高専教職員組合 ,2019年2月10日に寄稿したものです。 --  2018年10月9日,日本経済団体連合会(経団連)は2021年度以降入社対象の「採用選考に関する指針」(いわゆる「就活ルール」)を廃止することを決定し,さらに...
2019年2月21日木曜日

なぜ韓国の文国会議長は日本政府による「法的な謝罪」とは別の謝罪を求めるのか

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 慰安婦問題についての韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長発言が物議をかもしている。文議長の発言の最大の特徴は,日本政府が謝罪したことを認めたうえで,なお首相又は天皇が謝るのが望ましいとしていることだ。私は,この思考に,慰安婦問題をめぐる日韓のすれ違いを理解する,思想上の鍵の一つ...
2019年2月17日日曜日

森永卓郎さんの記事と対話して,新しい構造改革の必要性を考える

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 森永卓郎さんは,「憲法改正も,原発政策も,働き方改革も,すべて反対だ。ただ一点,マクロ経済政策,すなわち財政政策と金融政策に関しては,安倍政権のやり方は,正しいと考えている」方だ。2000年代前半には「いまデフレなんだからインフレにすればいいんです」とリフレーション政策の正当性...
2019年2月14日木曜日

合理的で厳しいCO2規制がグリーン製鉄法の開発を促進する

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スウェーデンで開発中のグリーン製鉄法HYBRITに関する世界鉄鋼協会の記事。HYBRITは鉄鋼メーカーSSAB,鉄鉱石採掘企業LKAB,電力会社Vattenfallの合弁企業だ。この製鉄法の目的はCO2排出削減であり,その手段は鉄鉱石をコークスや石炭ではなく水素で還元すること。 ...
2019年2月13日水曜日

細野祐二「日産ゴーン事件の研究」『世界』2019年3月号を読む

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 ゴーン事件について, 『法廷会計学vs粉飾決算』 や 『粉飾決算vs会計基準』 の著者,細野祐二氏の意見を聞きたかったので,ちょうどよかった。ゴーン元会長の容疑についての,細野氏の意見は以下の通り。詳細な根拠や,今後の見通しについては,論文実物にあたられたい。 *先送り報酬...
2019年2月11日月曜日

天牛堺書店のこと

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 ちょっと前のニュースだが,堺を中心に出店していた新歓・古書兼用の天牛堺書店が1月28日に倒産した。1992年から97年まで,天牛堺書店三国ヶ丘店には頻繁に,とくに河内長野市に住んでいた2年間は毎日のように通った。大阪市立大学のある杉本町から阪和線で3駅南下して三国ヶ丘駅で降り,...
2019年2月8日金曜日

特別監察委員会報告書は破棄ではなく上書きすべきだ

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 毎月勤労統計不正問題。私の意見では,野党が特別監察委員会の報告書の廃棄をこの時点で要求するのは不適切である。ブログで縷々述べたように,この報告書は調査体制に中立性の問題があり,内容も甚だ不徹底であるが,それでも,批判的によく読めば,厚労省による隠ぺいも証明できるし,不作為により...
2019年2月5日火曜日

公的資金による2頭のクジラが株価を支えきれなくなる時

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 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の2018年度10-12月期の運用実勢が14兆8039億円の赤字で,四半期では過去最大出会ったことが話題になっている。ここで考えねばならないのは,2014年にポートフォリオを見直して,内外株式の比率を高めたことだ。  一方で超低金利...
2019年1月31日木曜日

24年前の論文を引用いただいた:Nishio, S. & Fujimura, S. (2017) Influence of Traditional Business Practice on Firm Boundaries – Evidence from the Japanese Automotive and Steel Industries

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 日本の長期相対取引における「パフォーマンス・ギャランティ」という品質保証方式について考察した論文。この論文の筆頭著者西尾精一氏は,藤村修三教授の研究室に所属する大学院生で,鉄鋼メーカーに長く勤めてリタイヤされた方のようだ。清晌一郎教授の名作「曖昧な発注,無限の要求による品質・技...
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自己紹介

川端望 (Nozomu Kawabata)
東北大学大学院経済学研究科教授をしております。本ブログで表明している見解は,すべて私個人のものであり,所属機関の見解ではありません。
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