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2019年4月20日土曜日

株主にふさわしくないのにETFを買い続ける日本銀行

 2019年4月16日,黒田日銀総裁は国会で共産党の宮本議員に対して,「ETF(Ka注:指数連動型上場投資信託)買い入れは株価安定の目標を実現するために必要な措置の一つとして自らの判断で実施している」と発言。直後に「ETFの買い入れは物価安定の目標を実現するための措置として行っているものであり、株価の安定の目標ということではない。先ほどちょっと発言の誤りがあったので訂正する」と述べた。

 いや,まちがいではなく本音がポロリであろう。一応点検しておくと,日銀がETFを購入する公式の理由は,リスクプレミアム,以前の黒田総裁の説明によると「株のように変動するものと確定利付き債券のように変動しないものとのリターンの差」を低下させるためのものだ。公平のために言っておけば始まったのは2010年であり,白川総裁の頃だ。これで株式市場を活性化させ,景気を良くして物価を上げようというのだ。何のことはない。やっぱり株価を上げたいのではないか。

 現実にも,いまや日銀はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に次ぐ日本第2位の株主である。これほど大量に買い続ければ株価の安定・下支え・押し上げ作用があるのは自明であり,他の投資家が作用を期待するのも自明である。

 そして,そこまでやっているにもかかわらず,成果は芳しくない。以前の投稿「公的資金による2頭のクジラが株価を支えきれなくなる時」で示したグラフが示すように,アベノミクス開始時点では外国人投資家が期待をもって日本株を購入したが,いまでは売り越しに転じている。そして,個人株主は安倍内閣発足後,一貫して売り越しである。外国人も個人も日本株を評価せずに売り越していて,それを日銀とGPIFが買い支えているという構図ではないか。そこに無理はないのか。

 GPIFは受託者責任を持っているからまだいい。利益を上げるべき存在であり,損失が出たら追求されるべきだからだ。しかし,日銀は,運用益を目的にしてETFを買っているのでもないし,議決権を行使するわけでもない(議決権は信託銀行など,ETF組成会社が行使する)。つまり利益を出す気はない。しかし,株価が下がっても困る。誰かに受託者責任を負っているわけでもない。わけのわからない,どうふるまうべきかも決まっておらず,誰に責任を取るのかわからない株主である。株主としては不適切と言わねばならない。それが,株価を支える,日の丸の旗がついた二頭のクジラのうちの一頭なのである。

日高正裕「日銀総裁、ETF購入「株価安定のため」と言い間違え-直ちに訂正」Bloomberg, 2019年4月16日。

「公的資金による2頭のクジラが株価を支えきれなくなる時」Ka-Bataブログ,2019年2月5日。

2019年4月19日金曜日

日本語能力試験N4を基準に「特定技能」外国人労働者を受け入れるのは無茶だ

 外国人労働者受け入れ政策について,入管法改正成立以後,他の仕事に追われて詳しく調べられなくなった。なので,一つだけ,あまり言われていないことを言いたい。

 「特定技能」の在留資格を取り,日本で技能労働(ブルーカラー労働)をしようとする外国人労働者に対して,日本語能力を,「日本語能力判定テスト(仮称)」又は「日本語能力試験(N4以上)」しか求めないのは適切だろうか。

 この問題は,様々な立場のいずれからも提起されていないように見える(あるいは介護の現場からは提起されているかもしれない)。

 大学で学生を教えている私の経験から言えば,N4では,様々な場面で,たとえ双方に悪意がなくてもミスコミュニケーションは避けがたい。そして,相手に悪意があれば,抵抗することは難しい。当人がわかる言語での説明が付されていない限り,行政的な手続きも自分だけではできない。そして,雇い主や行政窓口や顧客とのトラブルに見舞われた時に,日本語で交渉することも困難だと思う。

 外国人を適切に受け入れ,かつその生活と権利を守りやすくするために,要件はN4ではなく,N3 にすべきではないだろうか。

 外国人とのトラブルを恐れて受け入れに消極的な立場からの論評は,「外国人全般」に否定的であるためにこの問題を具体的にみていない。逆に,外国人の人権を尊重する立場からは,受け入れを制限する方向の発言をしたくないという心性が働くのか,やはりこの問題に触れることが少ない。

 しかし,いったん受け入れた外国人の人権を守るためには支援制度を構築して運用すべきだが,そもそも,対処しきれないような規模と語学能力水準の人を受け入れてしまっては,現実的困難が大きくなりすぎる。受け入れる要件や速度,規模について考えることは,排外主義でもなんでもない。現に大学では留学生相手に行っていることだ。

 このままでは,多数の労使トラブルが発生する。その中には,本当に労使どちらかが法や就業規則に違反している場合もあれば,双方の誤解やすれ違いからくるものもあるだろう。大学でもそれに類似したことが多数生じている。N1を持つ大学院生との関係においてすら,生じる。

 経験的な感触からの設定で申し訳ないが,N4は無茶だと思う。N3にすべきではないか。あまり引き上げると,応募できる外国人が少なくなってしまい,漢字圏以外の人が応募できなくなるが,N3ならばその弊害は少ないと思う。そもそもこれまでのところ,N5やN4よりN3の方が受験者が多いのだ(日本語能力試験公式サイトのデータより)。

 皆さんは,いかがお考えでしょうか。

2019年4月17日水曜日

研究活動の停滞は大学院教育の停滞も招く

文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査に対する国立大学関係者の回答。

1.「(研究活動の停滞が)教員が持つ最先端の知識の陳腐化を招き、教育・指導の質の低下につながっている」85%(「どちらかというとそうである」を含む)
2.「(授業料や国からの運営費交付金でまかなう)基盤的経費のみでは学生が卒業・修士・博士論文を執筆するための研究を実施することが困難」78%(同上)

 まったくそのとおりと私も感じる。学部生と院生では多少異なるが,院生の場合は特にはっきりしている。これを理解するポイントは,院生の教育の根幹は,院生の研究を支援するところにあるということだ。
 1はシンプルな話で,教員の研究水準が低くなれば,その教員に論文を読んでもらってコメントをもらう院生の水準もおおむね低下する。2も深刻であって,院生に独自の研究費というのはない大学がほとんどだ。教員が使う講座費や,部局・大学の共通ユーティリティ(図書館とかネット環境とか)だけでは院生の研究を支援することはできず,院生がよほどの大金持ちでない限り身動きならなくなる。
 具体的に言おう。私のゼミでは,院生の研究支援に資金が必要なのは以下のような場合だが,いずれも私の手元の講座費では全くまかなえない。文系と言えどカネはかかるのだ。

*院生の実態調査の旅費(国内も国外もあり)。実態調査に基づく事例研究を主とするゼミであるため,これが一番大きい。
*院生が学会発表する際の参加旅費
*院生が研究に使用するデータ資料の購入(シンクタンク,調査会社発行の高価なもの)や高額書籍の購入費
*院生に刺激を与える著名・関連分野研究者をセミナーに招聘する旅費・謝金
*院生が投稿する際の英文校閲費や投稿料

 これらの費用は,以下の諸手段でまかなうことになる。言うまでもないがコンプライアンス前提であって,国や大学の規則に反する裏金などつくることはできない。

a)教員と重なるテーマであれば,院生を科研費の研究協力者にする。あるいは院生も構成員に出来る外部資金での研究プロジェクトに参加する。そうすると科研費から調査旅費や成果発表旅費や英文校閲費を支出できる。
b)教員と重なるテーマであれば,教員が学内や学外の競争的資金を獲得して研究プロジェクトに参加し,国内外から研究者を招聘するセミナーを開催し,院生もそれに参加する。
c)教員が科研費やその他の外部資金を多く獲得して研究し,その分だけ浮いた講座費で院生の研究を支援する。
d)院生が学術振興会特別研究員(DC1,DC2)に応募する。
e)留学生の院生が,日本政府国費研究生の国内募集枠に応募する。
f)院生が代表者になって応募できる民間の研究助成金に応募する。
g)院生・若手研究者を海外に派遣する諸制度に応募する。
h)院生の学会参加を支援する諸制度に応募する。

 このうちa)b)c)は教員の研究が停滞するとお金が獲得できなくなるので,院生の教育も連動して停滞する。また教員の研究が停滞すると,おそらくはd)の採択可能性も低まる。そして,大学の研究全体が停滞すると,おそらくはf)g)h)も獲得しにくくなるのだ。

「研究活動の停滞、教育への影響8割が危機感 国立大  文科省研究所が意識調査」2019年4月12日。

2019年4月13日土曜日

東京福祉大学問題から見える,歯止めなきトップダウンのダメさ加減

 東京福祉大学による研究生としての留学生大量受け入れは,元総長の中島恒雄氏の指示によるものであったという告発があった。

 中島氏は2008年1月に強制わいせつ罪で逮捕され,実刑判決も受けた。以後,東京福祉大学は中島氏が「本学の経営や教育に関与することはない」とホームページで約束した。しかし,実際には大いにかかわっていたことになる。

 実はこのことは以前より,誰あろう,文部科学省大学設置・学校法人審議会によって公式に指摘されていた。東京福祉大学は2012年度より経営学部,大学院経営学研究科を開設すべく文科省に設置申請を提出したが,「元理事長を法人運営に関与させてきていることや、本設置認可申請後に及んで学校法人として不適切な管理運営が行われていたことが確認された」として,設置「不可」の認定を受けたのだ(「」内は判定不可の理由を記した文書より)。

 田嶋元教授は,中島氏が指示を出していた証拠として20011年9月の会議音声を公開したそうだが,これは文科省に設置申請をしていた時期と一致する。

 田嶋元教授もかなり過酷な目に遭われたようだ。東京福祉大学は,まず2012年3月末で教授を雇い止めると通知して,裁判で無効とされた。3年前に卒業した院生へのセクハラ・パワハラを理由に懲戒解雇し,それも1審,2審で敗訴して和解し,謝罪して原職復帰を認めることになった。しかし,さらなる嫌がらせ,雇用契約の不利益変更を迫り,労働審判でそれが否定されると今度は訴訟に移行したようだ。田嶋教授は2018年3月31日に定年退職された。

 田嶋氏に対して,自分が嫌がらせに遭ったから意趣返して告発しているのだろう云々というコメントがネットを飛び交うかもしれないので言っておく。文科省も裁判所も異常な経営を認定しており,どうみても東京福祉大学の方がおかしい。

 いま,大学のガバナンスが取りざたされているが,たいていの場合,「教授会が頑迷で何も決められないからトップダウンにしろ」という方向で議論がなされるのはどうしたことか。むちゃくちゃな行為が行われるのは,たいてい,トップダウンが行き過ぎた場合であり,それに歯止めをかけるしくみが欠如している場合であることは言っておきたい。

「留学生大量失踪の東京福祉大、元教授が緊急会見。元総長が「120億のカネが入るわけだよ」と会議で発言。金儲けのために留学生受け入れか」ハーバー・ビジネス・オンライン,2019年4月10日。

平成24年度開設予定大学院等一覧(判定を「不可」とするもの)

平成24年度開設予定学部等一覧(判定を「不可」とするもの)

「東京福祉大学事件」田嶋心理教育相談室。

「東京福祉大学事件」交通ユニオン。

2019年4月10日水曜日

ベトナムは業績不良の国有企業に対処できるか?:TISCOの経営危機

 ベトナムの国有鉄鋼企業TISCO(タイグェン・アイアン・アンド・スチール)が株主に送った手紙によれば,同社は「もし政府,銀行その他の機関によって救済されなければ倒産に至り得る財務危機に直面している」。VnExpress Internationalの記事によると自己資本比率は18%,債務1.94兆ドン(8360万ドル)のうち不良債務が8520億ドン(3670万ドル)。同社はうち46%は正常化可能というが,たとえ本当でも自己資本不足と54%は残る。記事にもある通り,TISCOの財務危機の原因は2007年に開始された2期工事の延滞・未完成と費用膨張である。建設中だった高炉などの設備は雨ざらしになっている。

 これは,私が1年半前にRIETIのペーパーで論じたTISCOの問題が,まったく解決に向かっていないことを意味する。

 TISCOは,もともと国有の公社であったVNスチールが65%を保有していた連結子会社であった。その経営危機は2014年には表面化しており,いったんは国家資本投資会社が1兆ドン(4310満ドル)の資本を注入して救済したものの,その後,財務省の指示によってこの株式をVNスチールに買い戻させてしまった。2017年第2四半期にはすでに自己資本比率が19%に落ちていた。

 ペーパーを書いた後にわかったことは,VNスチールはTISCOの債務保証者であるということ,商工省が国有企業の不良債務について公的資金を投じないという方針をとっていたことだ。VNスチールにも債務を肩代わりする力はない。しかし,政府も公的資金は注入しない。買収する気のあった民間企業にしても,そのような負担はご免であろう。そして,銀行が債権棒引きに応じる気配もない。それでは,誰がどのようにTISCOを破たん処理and/or再建し,その過程で誰がどのように損失を被るのか。誰も火中の栗を拾わないままにずるずると状態が悪化している。

 ことはTISCOだけにとどまらないのではないか。記事はTISCOをベトナム最大の鉄鋼企業の一つと書いているが,その生産規模はせいぜい鋼材100万トンであり,すでに外資企業のフォルモサ・ハティン・スチール(FHS)や民営企業のホア・ファット・グループ(HPG)に追い抜かれている。もしベトナム政府が,100万トンクラスの国有鉄鋼企業の破たん処理をうまくできないのであれば,他にも数ある国有企業の改革・再編・民営化・破たん処理・再建・清算の成否についても,大きな疑問符が付くだろう。

Anh Minh, Vietnam state steel company faces bankruptcy, VnExpress International, April 8, 2019.

川端望(2017)「ベトナム国有鉄鋼企業の衰退とリストラクチャリング」RIETI Discussion Paper Series, 17-J-066, pp.1-41.



2019年4月6日土曜日

「破壊的イノベーション」の意味を取り違えている内閣府総合科学技術・イノベーション会議の「ムーンショット型研究開発制度」

「欧米や中国では、破壊的イノベーションの創出を目指し、これまでの延長では想像もつかないような野心的な構想や困難な社会課題の解決を掲げ、我が国とは桁違いの投資規模でハイリスク・ハイインパクトな挑戦的研究開発を強力に推進している」(「ムーンショット型研究開発制度の基本的考え方について」2018年年12月20日,内閣府総合科学技術・イノベーション会議)。

 何てこった。完全に「破壊的イノベーション」(Disruptive Innovation)と「ラディカルイノベーション」(Radical Innovation)を取り違えている。破壊的イノベーション論の総帥クレイトン・クリステンセンが『イノベーションへの解』(マイケル・レイナーとの共著。邦訳は翔泳社刊)でこの二つを混同するなと戒めているのに。総合科学技術・イノベーション会議には経済学者や経営学者は一人もいないのかと思ったら,実際いないようだ。安倍さんとか菅さんとか麻生さんはしょうがないとして,世耕経産相も知らないんだな。

 「破壊的イノベーション」とはDisruptive Innovationの訳で,その意味は「ぶっ壊す」というより「既存の秩序を乱す」だ。個人的には「破壊的」と訳したところがそもそも間違いで「攪乱的」の方がよかったと思う。その定義は,「主流市場の顧客には使いようがないイノベーションのことであり,新しい性能次元を生み出すことによって性能向上曲線を定義するもの」だ。破壊的イノベーションは,これまで消費していなかった人々に新しい機能をもたらすか,既存市場のローエンドにいる顧客により大きな利便性または低価格を提供することによって,新しい市場を創出する。既存大企業が獲得できないセグメントや新しい市場を開くことがその革新性の中心だ。銑鋼一貫製鉄法に対する電炉製鋼,銀塩カメラに対するデジカメや,デジカメに対するカメラ付きスマホや,紙の出版に対するDTPなどがそうだった。既存企業をかく乱するところが「破壊的」なのであって,科学的・工学的に新しいことを「破壊的」と言っているのではな。また,投資金額がでかくなければならないのでもない。最初からハイインパクトとも限らない。破壊的イノベーションは,むしろ,「小さく生んで大きく育てる」になることの方が多い。

 総合科学技術・イノベーション会議が言っている「ムーンショット型」は経済・経営的文脈では「ラディカルイノベーション」(Radical Innovation)に近く,これは定義は人によって異なるが,科学的・工学的・組織的原理が従来と根本的に違うことが中心的意味だ。

 この混同がなぜまずいか。「これまでの延長では」できないことを解決するのに必要なのは,大規模な研究開発と資源投入を必要とするようなラディカルイノベーションの場合もあるが,そうでない場合もある。むしろ,既存大企業の死角をつき,一見するとむしろ性能が低いが,それ以外に良いところがある製品で小規模に事業を始めながら,発展しているうちに市場全体を変革するような破壊的イノベーションが必要な分野もある。後者を見失ってはならないのだ。

 両者を混同して前者に解消するようでは,またしても技術中心主義に陥って市場を見失い,またしてもカネと力はあるが革新性を失いつつある既存大企業をかばい続けて,いまは小さいが将来性あるベンチャーを見て見ぬふりをし,またしても大規模資源投入と称して官僚的で舵の効かない大艦巨砲主義に陥って,作戦に必要な自由に小回りの利く民間の小艦艇を忘れ,月でなくあさっての方向にすっ飛んでいくのではないか。

「破壊的技術に1000億円 「選択と集中」どう機能 」『日本経済新聞』2019年4月6日。

「ムーンショット型研究開発制度」内閣府ウェブサイト。

付記:私の理解では,破壊的イノベーションとは,例えば以下で書いたように,「新興国市場の,高級な材料には手の届かない人々に,安くて使いやすくそこそこの品質のカラートタンを個人住宅の屋根材料として普及させて新市場を拓く」といったことだ。
川端望(2016)「ベトナム鉄鋼業における民間企業の勃興」『アジア経営研究』22, pp.79-92。

2019年4月4日木曜日

『アジア経営研究』第24号電子版公開

 私はアジア経営学会というところで機関誌電子化委員をしております。J-STAGEというプラットフォームに雑誌の電子版を掲載する担当で,ゼミ生にアルバイトで入力してもらいながら進めています。このたび,『アジア経営研究』最新の第24号電子版をJ-STAGEで公開しました。この豪華なラインナップに注目ください。巻頭は,全国大会でのアイリスオーヤマ大山健太郎会長の講演記録です。
・大山 健太郎, アイリスオーヤマのイノベーション
・中田 行彦, アジアにおける「ものづくりネットワーク」の新段階 日韓台中における液晶事業の発展過程の研究から
・鍾 淑玲, 小売国際化における埋め込み概念の導入と検討 アジア市場における成長に向けて
・平川 均, ICT基盤役務のオフショアリングと東アジア
・王 珊, 中国における日系自動車部品メーカーの開発活動とその制約条件 デンソー中国と地場系完成車メーカーの取引を中心に
・塩地 洋, 太平洋島嶼国の車両放置問題の解決のために
・全 洪霞, 華為の従業員持株制度の発展段階に関する一考察
・張 艶, 大連ソフトウェア・ITEサービス産業の地域エコシステム
・陳 晋, 躍進している中国スマホ市場の光と陰 国内トップだった小米の盛衰を中心に
・根岸 可奈子, 日本企業のCSRにおける行動規範に関する一考察 国連グローバル・コンパクトを中心に
・劉 瑩, 深圳のビジネスインキュベータのネットワーク構築
・垣谷 幸介, 中国乗用車市場の変化と日系メーカーの対応 モデル投入と開発工数の考察
・鈴木 康二, 接続性と利他性のアジア経営
・中川 圭輔, 韓国の社会事情と職業倫理に関する予備的考察
・廣畑 伸雄, 日系ホテルのインドシナ進出戦略


『ゴジラ -1.0』米アカデミー賞視覚効果賞受賞によせて:戦前生まれの母へのメール

 『ゴジラ -1.0』米アカデミー賞視覚効果賞受賞。視覚効果で受賞したのは素晴らしいことだと思います。確かに今回の視覚効果は素晴らしく,また,アメリカの基準で見ればおそらくたいへんなローコストで高い効果を生み出した工夫の産物であるのだと思います。  けれど,私は『ゴジラ -1.0...