フォロワー

2020年12月22日火曜日

ベトナム鉄鋼業論が英語の論集に収録されました:Hiromi Shioji, Dev Raj Adhikari, Fumio Yoshino & Takabumi Hayashi eds., Management for Sustainable and Inclusive Development in a Transforming Asia, Springer, 2020

  分担執筆した英語の本が出版されました。Google Scholarからのプロフィール自動更新情報で気づいたのですが,どうやら12/5にアップされたようです。紙版1冊をもらえるかどうかわからないので,とりあえず図書館所蔵用を注文します。


Kawabata, N. (2020). Development of the Vietnamese Iron and Steel Industry Under International Economic Integration, in Hiromi Shioji, Dev Raj Adhikari, Fumio  Yoshino & Takabumi Hayashi eds., Management for Sustainable and Inclusive Development in a Transforming Asia, Springer, 255-271.(国際経済統合下におけるベトナム鉄鋼業の発展)

https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-981-15-8195-3_15

 この論文の最初のバージョンは,2018年にベトナム鉄鋼業に関する評価の輪郭を思いついた時に,とにかく実務者,政策担当者,研究者に速報しようと日本語,英語両方でDPにして配信したものでした。その後,IFEAMA(東アジア経営学会国際連合)の大会で報告し,報告論文からピックアップしての出版にエントリーして採択されました。

 執筆を決めた時に念頭に置いたのは,実務家や政策担当者の状況でした。つまり,ベトナム鉄鋼業はアジアの産業の中で地位を急速に向上させているのに,この産業の発展史や各セクター(国有,民営,外資)に関する評価が提示されていなかったことです。その原因は簡単で,継続的に調査・研究している人が私以外にほとんどいないからでした。なので,まずはベースとなるものを私が書いて提示するのが社会的責任であろうと思ったわけです。これで,ベトナム鉄鋼業への評価がおかしな方向にすっとんでいく危険は回避できたし,この産業に関する仕事に携わろうとする人に,まず最初に読んでもらいたい論文になったと自負しています。

 しかし,とりあえず関係者に理解してほしい要点だけを詰め込んだものであり,実証分析は十分とは言えません。次の課題は,もっと解像度の高く詳細な研究書を一人で書き上げることです。


0 件のコメント:

コメントを投稿

信用貨幣は商品経済から説明されるべきか,国家から説明されるべきか:マルクス派とMMT

 「『MMT』はどうして多くの経済学者に嫌われるのか 「政府」の存在を大前提とする理論の革新性」東洋経済ONLINE,2024年3月25日。 https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/daa72c2f544a4ff93a2bf502fcd87...