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2018年12月9日日曜日

拙速な入管法改正は遺憾だが,実践的な準備をしながら意見をたたかわせるしかない

 入管法改正がものすごいスピード審議で通されてしまった。私は「外国人労働者を受け入れる以外に道はないが,ちゃんと準備をしろ」派なので,今国会での成立には反対であったが,できてしまったものは仕方がない。できる限りの実践的な準備をすべきだろう。
 暫定的には,1)外国語・外国人対応で苦慮する自治体に対し,政府から財政,人員上の支援を行うこと,2)受け入れ人数を決定する仕組みを作り,各界の意見を反映させられるようにすること,3)日本人の雇用と競合しないように労働市場テストを行うことについて検討し,制度設計をしてみること。その公平性について基準をつくること(自国民雇用を守るための労働市場テストは多くの国で実施されているが,効力を持たせることがむずかしいし,差別にならない工夫も必要),4)技能実習生やブラジル等の日系人受け入れの教訓を踏まえて,生活困難,教育問題,人権侵害や差別,住民間対立が生じやすいポイントを洗い出し,改善策を講じること,5)日本の大学を卒業した留学生の就労職種を緩和する案については,法務省の判断だけで緩和せず,大学を含む各界の意見を聴取すること,などを提案したい。与野党は,法改正で議論を終わりとすることなく,これらの実践的な課題について意見を戦わせてほしい。

「増える外国人住民 苦慮する自治体 3割が「対応追いつかぬ」」NHK NEWS WEB,2018年12月5日。


 

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