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2018年11月28日水曜日

カルロス・ゴーンの逮捕は法の適切な執行なのか

 カルロス・ゴーンの逮捕劇についてはいろいろな角度から論じることができるだろう。とりあえず,検察には法をちゃんと執行して欲しい,法律違反は取り締まり,権力乱用はしないでくれという立場からみると,カルロス・ゴーン逮捕にはわからない点が多すぎる。郷原信郎弁護士や細野祐二氏の指摘がすべて正しいかどうかはわからないが,以下の点を私は知りたい。

1)ゴーンの報酬は有価証券報告書に記載すべきものであったのか。どうしてそう言えるのか。
2)そうだったとして,なぜ日産自動車でなくゴーンほか1名という個人が罪を問われるのか。有価証券報告書未記載に責任を負うのは法人としての日産自動車ではないのか。
3)ゴーンの部下が「内部告発」したというのなら話としてわかるが,何がどう「司法取引」なのか。司法取引した当人は,どのような重大情報を検察に与えたのか。
4)ゴーンが会社の金で買った不動産を私的に利用していたことは倫理的に問題なのは当然として,それで刑事的に罪を問える,例えば会社に損害を与えたから背任を問うべきとまで言えるのか。

 これまでマスコミの報道記事は,客観報道のふりをした表面報道に過ぎないと思う。検察の行動と法の整合性が客観的に問われるときは,きちんと論点を立てて,「この点はおかしくないか,説明が必要だ」と追及しなければならない。それが本来の客観報道であり,権力に対する必要な監視ではないのか。

「ゴーン氏逮捕は「ホリエモン、村上ファンドの時よりひどい」 郷原信郎弁護士が指摘」ITmediaビジネスONLINE,2018年11月27日。

細野祐二「「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘」現代ビジネス,2018年11月25日。

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